視察内容 1、議会基本条例について
2、議会活性化について
はじめに
人口5,400人、面積182,23?、産業は第二次,第三次が共に42~43%,21年度一般会計予算は32億2812万円、議員定数12人、常任委員会は3(総務教育、経済福祉,広報広聴、)と議会運営委員会、議会事務局4(内1人は臨時)。
千代の山、千代の富士と2大横綱をたたえる横綱記念館、青函トンネル記念館は有名だ。
地方分権改革の進展と財政危機により議会の責任が重くなっている。にもかかわらず世間では議員定数削減、報酬削減、果ては議会無用論迄あり民主社会、地方政府の実現は容易ではない。そのような中、北海道では栗山町に続きここ6年半に亘り議会改革をすすめ、09年4月1日「議会基本条例」を施行した北海道南端の町、福島町議会を視察した。
溝部幸基議長は「気がついた事から」「できる事から」改革を進めてきたと話されたが、議会が住民に迎合せず,当局の追認機関化しないための永年の努力には頭が下がった。
1、議会基本条例について
(1)平成21年3月11日の本会議で議会基本条例は賛成多数で可決、同年4月1日施行、
(2)モットーは
○わかりやすく町民が参加する議会
○しっかりと討議する議会
○町民の実感できる政策を提言する議会
(3)特徴
第2章「議会議員の使命と政治倫理」として通年議会(3条)、
第6章「適正な議会機能」として議員報酬を歳費と規定(14条)、議会,議員評価し1年毎に公表(17条)、
4章 「町民と議会の恊働」徹底した情報公開と共有、会議公開、参考人制度、公聴会制度活用、意見交換の場の設定、夜間休日議会開催,議会報告会の開催など(7条)、
3章「議会議員の活動原則」では議会傍聴者は参画者として傍聴席から発言可能(5条7項)、二元代表制民主制充実のために
第5章「町長等と善政競争する議会」、 質疑応答は回数、時間制限無し(8条2項)、通告書に対する答弁書の事前提出によるより深い議論への対応(8条4項)、町長による政策形成過程の資料提出(9条)、議長、副議長の所信表明(18条)、議会に付属機関の設置可(20条)、等 二元代表制、住民参加の制度化,議会の公開制、をしっかりと条例に位置づけている。」
2、議会活性化について
‘99年、傍聴者への閲覧資料の配布から開かれた議会づくりの取り組みが始まり
2000年 一般質問の一問一答方式採用、本会議のテレビ放映.
2001年議会だよりの速報版発行、議会ホームページ発行、一般質問答弁書の配布
2002年 議員定数問題について町民懇談会を開催
2003年議員定数削減
2004年 傍聴規制の緩和、町長の付属委員会からすべての議員が辞退、合併懇談会開催(破綻)
2005年「議会の評価」を実施、議員の自己評価を実施、議決事件の追加(基本計画を議決事項として追加・条例化)
2006年 議会,議員の評価結果を公表、本会議終了後議会運営全般について問題点、課題について「議会運営に対する検討会」を開催 町民懇談会を開催、議員定数、議員報酬、費用弁償の廃止、政務調査費の導入の4事項を条例改正(次期改選から実施)、第1回マニフェスト大賞で「審査委員会特別賞」を受賞、会議規則等の改正(委員会の議案提出権、電磁的記録による会議録の作成、閉会中の委員の専任、専決処分事項の明確化)選出議員による議会報告の充実 夜間議会の開催
2007年 委員間討議の充実 議員研修会(今後の議会改革の方向性)、議員選挙の投票日の平日化、議長 副議長選挙に伴う所信表明の実施、
改選後、今後4年間の課題・方向性を全議員で確認、 第2回マニフェスト大賞で最優秀成果賞を受賞、
2008年 三回目の議会,議員評価の公表、議員研修条例の制定、議員倫理条例の制定、第3回マニフェスト大賞でベストホームページ賞を受賞
2009年 議会,議員の評価 4回目の公表 議会基本条例の可決、関連条例の整備
感想
「開かれた議会・議会活性化」への永年にわたる気の遠くなるような取り組み、通年議会にした事により1年中議員は活動する事になり,議長の議会招集権は実質可能となった。執行部にとって通年議会や文書質問、政策形成過程の資料の提出義務化は負担であろう。住民参画への段階的な取り組み、傍聴規則の全面改正などできる所から,休みなく議会改革を進められたことに感動。
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