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◆ 議会運営員会視察報告   (大分市議会 延岡市議会) 2010年11月18〜19日
◆ 子ども教育常任委員会視察報告 (石川県白山市 福井県越前市) 2010年10月13〜14日
◆ 図書館視察(町田市、唐津市、伊万里市)    2010年1月15〜20日
◆ 岩手県雫石町、北海道福島町 議会視察    2009年11月4〜5日
◆ 第26回全国自治体政策研究交流会議福井大会   2009年8月20日
◆ 沖縄の視察報告    2008年7月2〜4日
◆ 地域の輝きが国を創る (全国自治体政策研究会)   2007年8月24〜25日
◆ 能登半島地震災害地の視察報告   2007年4月27日〜28日
◆ 文教常任委員会 小中学校視察報告  2006年10月12日〜13日
◆ 第46回社会教育研究集会参加報告  2006年8月5日〜7日
◆ 知の地域づくりと図書館 神話のふるさと島根で図書館を考える 2006.7月9日〜11日
◆ 第22回全国自治体政策研究交流会議・第19回自治体学会鳥取大会  
                          2005年8月24〜25日
◆ ヨ−ロッパ視察旅行     2005年2月14日〜23日
 北欧四都市を訪ねて  2004年 4月19日〜4月28日
 横須賀市議会の「議会活性化推進」を視察  2003年7月7日
 横須賀視察報告  2002年8月8日〜9日
 岐阜県 多治見市視察報告  愛知県犬山市、高浜市   2002年4月22日〜23日
 秋田県鷹巣町視察報告  2001年4月7日〜9日
 北欧スタディーツアー報告  7月30日〜8月9日

地域の輝きが国を創る

〜地域主権社会が世界の未来を拓く〜        
 視察報告  改革ゆいの会  住田 啓子
2007、8月24〜25日


第1日目、8/24 全国自治体政策研究交流集会

  13時30分、京都学生祭典実行委員会による大太鼓のオープニング
主催者挨拶のあと

山田啓二京都府知事による基調講演
「京都から問う 21世紀の新しい日本のモデル」

歓迎の挨拶のあと、近年の地方分権一括法の施行や三位一体改革のついて、国がよくいう3つの課題
1、過度の役割分担の危険性について?本当の地方分権とは住民が真の共同ができるように住民を基本にした意思決定のしくみをつくることだと述べ、今のままでは住民の意思決定をバラバラにしているため役割分担は切り捨てにつながりかねない。
2、国の住民理解と住民意識についての考え方も疑問だ、本当にこの国を生き生きとさせるためには自分のことは自分で決めるという自立意識に訴え共通の理解によって地域は創られるのではないか。
3、分権の推進についての国家政策がないこと。分権の推進だけだったら弱肉強食になるので分権を支える国家政策がなくてはならない。とも語った。

 現在、新しい政策を生み出す力が国にはない。これまでの霞ヶ関は先進例か外国の例、有名な先生だのみで国家政策がないという危機感がある。 そこで知事として厳しい財政状況のもと地域社会の衰退が進む中、地域力の再生、新しい公のありかたを模索し行政、NPOが一体となった「京都モデル」をつくり、これまでの中央集権・垂直型ガバナンスから多様な主体・地域の実情に応じて連携・恊働ガバナンスに、即ち水平型ガバナンスに変えた。
垂直型は金だけ動く、しかし、水平型は人と金が動く。
 再生への取り組みは担い手の多様化、担い手の連携により地域恊働が進み水平型ガバナンスにより、経済ではなく文化を、開発ではなく環境との共生を、マネーゲームではなく、ものづくりを、個人主義ではなく、恊働・地域主権によって地域再生を進めている。
 地域力の再生は新しい公共と市場主義の調和が大切。住民が主人公であり府職員、市町村職員と対等だ。いまは一人一人の力を活かす事が大事。

パネルディスカッション「地域が拓く新しい地方分権社会のモデル」
コーディネーター 佐藤満(立命館大学教授)
パネリスト     山田啓二(京都府知事)
           市村良三(長野県小布施町長)
           伊庭節子(舞鶴市女性センターネットワーク理事長)
           富野暉一郎(龍谷大学教授)

市村小布施町長  栗(栗菓子 地場産業)、北斎(美術館)花のまちづくり((オープンガーデン)を基本に人口政策として宅地造成に取り組み9000人から1万2000人へ。
伊庭節子さん(商店街の金物店のおかみさん)
地域の実践が町を支えているとの自覚のもと「タウンガイド」づくり、海軍のまち・にくじゃがまつり、の実践
「行政職員はもっと町に出る事、住民の能力を適正に評価してほしい、住民のボランティアをはじめから当てにしないでほしい.住民の生活から出てきた思い、発想を評価することが地域の活性化につながる。役所内で構えていないで住民と一緒に活動してほしい」と率直な意見に私は我が意を得たりと思わず拍手しました。
富野・龍谷大教授  住民一人一人の存在感が地域社会を変えていくので住民の知恵が生かされる枠組み作りが大切だ。歴史の流れに適合した者が生き残る。
地域政策のキーワードは連携と恊働(パートナーシップ)
 EUでは1、大型公共事業 国家を超えた組織でどれくらい対応できるか
     2、共同型の社会へ  人々の関係を水平型へ
                政府組織をパートナーシップ型へ変える
山田啓二知事  地域の活性化は住民への広がりがキーポイント、地域の絆が強まるとそこへきた人が満足する。行政は誰が主役かをきちんと考え地域政策を支援する。地域の再生は新しい自治行政と住民主体の本当の自治から始まる


第2日目、8/25  第21回自治体学会
於 商工観光センター

セミナー2、自治体の自立と地方財政?分権型社会における地方財政のあり方を考える〜
 分権型社会を迎え新たな自治の仕組みづくりに取り組む中、自治体における財政的自立が制度的に困難であるとすれば、その制度設計は如何にすべきか。首長、議会、市民のあり方を含め、自治体の自立と地方財政の視点から、自治の仕組み、制度を考察する。

パネリスト 平井伸治(鳥取県知事)、西寺雅也(前多治見市長)
コメンテーター 荒井和美(寝屋川市)
コーディネーター 小西砂千夫(関西学院大学)

 分権型社会では自治体は新たな自治の仕組みづくりに取り組むとともに、自治体そのものの自立が求められている。このような時代の中、財政的自立が制度的に困難であるとするならばその制度設計は如何にすべきか?夕張の財政破綻は、住民の生活環境の悪化に結びつく。行政のチェック機関であり、条例をつうじた制度設計を行う機関としての議会の機能強化は如何にすべきなのか。自治体の自立と地方財政の視点から、自治のしくみについて話し合いが行われた。
 論点として地方財政制度をどのようにつくるかという「地方財政制度運営」の観点と、個別の自治体で財政健全化を保ちながら必要なサービスを提供するという「自治体財政運営」の観点の2つがある。近年この2つについてそれぞれについて大きな衝撃が与えられた。前者については三位一体改革や歳入・歳出一体改革、後者については行政経営改革のような前向きの取り組みもあれば夕張ショックのような事態も起こっている。地方分権を前進させ、分権型社会に於ける自治体の自立を目指すための、地方財政制度の改革の有り方と、より住民の目線にたった行政運営を行う上での自治体の取り組み方,市民、議会の有り方についての意見交換が行われた。
1、近年の地方分権改革の進み方とその評価
2、自治体経営改革の動向と今後について
3、夕張ショックと自治体財政健全化法への取り組み
4、住民の目線にたった自治体経営の今後、

平井鳥取県知事  一括法は機関委任事務をなくす方向は打ち出したが財政の足腰を鍛えないと駄目だ。三位一体改革では自治体側は財源が保障されるだろうとかんがえていたが見事に裏切られ三位一体改革は失敗だった。財源保障、特に、団体間の財政調整が必要だ。地方共有税として特別会計として独立させる、法人課税についても税源偏在を起こしているので地方には偏在性のない税制を、交付税など税体系の是正が必要。また障害者、高齢者、にたいして政府は必要なところに財源をあてるべきだ。根本的解決のためには政府は度胸を持つ事。
西寺雅也(前多治見市長)三位一体改革は地方と大都市の格差を拡大し、合併バブル・財政の膨張が起きている、国の関与も減っていない。 1995年市長になった翌年「財政緊急事態宣言」をし行政改革、行政の質の転換を図った。財政が悪化したとき誰が止めるか、議員は要求型になっているが本当は市民、議会、首長の全体で財政危機をかんがえるべきだ。
財政推計の必要性、総合計画とマニフェストとの関係、徹底した議論による政策化、情報公開による市民参加と地域民主主義の構築など3期12年間の実績を披露。

午後から 第7分科会、「市民の議会は可能か」
地方議会の課題が指摘されている.議会の機能不全や議会のありかたなど、問題状況はさまざまだが、分権、共治をめざす社会において「市民の議会」が重要。課題をのりこえ、地方議会が「市民の議会」となること、市民が「市民の議会」とすることは可能か 政策型の議会に変えるには何が必要か
井坂信彦(神戸市議会議員)神戸空港建設について31万人の住民投票にも関わらず議会が否決した。日本の議会の仕組みはおかしい。今の議会は市民の議会ではない。ハコものに何の意味があるのか。
市民に見える議会、市民が参加できる議会に変えねばならない、議会は役所をコントロールできなければいけないのではないか、市民が議会をコントロールする。二元代表制については議員の能力を高めるしかない。
吉井俊夫(川崎市民)市民が提出した請願や陳情など議会で採択した後は何もやっていない。議会は単なる賛成マシーンか?対立しないと議会にならない、利益の対立があるから議会が必要なのに、対立が見えてこない。議会のチェック機能は働いているのか
米倉克良(市民セクター理事)分権の中で議会のポテンシャルがあがった。議会の職員のあり方が問題。会派のマイナス要因は利権にかんして少数者はいじめの対象になりがち。首長にたいして多元的に対立する事は大切、議員はもっと事業を減らす提案をすべきだ
青山崇(多治見市収入役代理)議員はもっと説明責任を果たすべき、
中島武津雄(飯田市議会議員)議会全体、全会派一致で「飯田市自治基本条例」作りに議会主導で取り組めた。平成19年4月1日施行、中学生にわかる条例づくりを心がけた。市民のためになにが出来るか行政と役割分担しながらお互い協力し合ってやっていく。
コーディネーター岡崎加奈子(法政大学)分権により自治体が変革を模索する中、これからの「市民の議会」とはいかなる姿なのか?これまで「市民参加」、「共治」という枠組みにおいて「市民」と「議会」との関わりを如何に考えるかという視点に立った検証は、依然として希薄だった。しかし今日、この市民と議会の関係性、更に議会の実態について再考するときに来ているのではないか。このとき「議会の討議性」は重要な論点の一つになるだろう。議員同士による討議の現状と課題について考察する事は、議会の持つ可能性を模索する上で不可欠であるといえよう。
このディスカッションテーブルで課題と方向性の第一歩が踏み出せたのではないでしょうか。


第3日、8/26 平和の尊さを広く語り継ぐまち、赤れんがを活かしたまちづくり
 引揚記念館、赤れんが博物館、海上自衛隊の艦船見学

     舞鶴引揚記念館  
「敗戦後シベリアなどからの引揚者約66万人を迎えた歴史を語り継ぐ語り部の案内により館内を見学、この記念館は戦争の悲劇を再び繰り返してはならないと、悲惨な引き揚げの史実を後世に伝えるために」とパンフレットに書かれている。
1998年4月舞鶴市が全国の支援を得て建設、開館した。
 1945年8月15日,第2次世界大戦終結後、海外諸地域に残された日本人の数は、軍人・軍属が約330万人、一般邦人が約300万人以上と言われている。この人たちの速やかな帰国は全国民の願いであり,政府も国家的緊急課題として,同年9月28日、軍港であった舞鶴をはじめ浦賀,呉、下関、博多、佐世保、鹿児島、横浜、仙崎、門司の10港を引き揚げ港に指定、各地からの引き揚げが開始され、日本全国はもとより世界中から注目された。
1958年9月の最終船入港までの13年間引き揚げの様子は内外に報道された。特に舞鶴港は1950年以降、国内唯一の引き揚げ港として最後までその使命を果たした。
館内展示で特に辛かったのはシベリア抑留の実態・零下30度、40度のもとでの捕虜の労働、兵士たちの抑留生活・過酷な強制収容所生活が実物大の人形によって再現されていた。勿論、生還した兵士にとっては家族や親族との再会の場面の写真や地元を揚げての歓迎であったが、帰らぬ我が子、夫を待ち続けた人々の展示は格段に悲しい。
 戦後60年を経た今日、戦争の風化が進み、戦争を知らない世代が大半となり、引き揚げの史実は人々の記憶から消える日もそう遠くないだろう。 私は1947年(昭和22年)小学校2年生の早春 母、弟妹とともに九州の佐世保に帰国した。現在残る我が国唯一の舞鶴引揚記念館は引揚者の一人として是非とも訪れなければならない場所であった。私にとって改めて平和の尊さを確認し平和を創る事への勇気に出逢えた視察であった。

  

  赤れんが博物館
海軍のまちとして知られている舞鶴市には数多くの赤煉瓦の建造物が残されている。例えば倉庫,工場など海軍関係諸施設を中心に砲台、鉄道施設、ホフマン窯などがある.赤れんが博物館はもと旧兵器倉庫として建設され,本格的鉄骨構造のれんが建築物として最古のものだそうだ。

  海上自衛隊艦船見学
昭和57年に進水、昭和59年1月26日竣工
護衛艦・みねゆきに上船、説明をうけた。