TSUYOSHI NAGABUCHI LIVE 2003 ”Keep On Fighting
2003.8.10 at 横浜赤レンガパーク
 
 まず始めに、このコンサートを取り仕切っている「ホットスタッフ」の代表の方からコンサートを観る上での
注意と、本日の観客動員数が発表された。22,576人・・・これだけの場所に、よくこれだけの人数を閉じ込
めたものだ(笑)。だけどここで彼の言っていることにふたつの違和感を感じた。
 
 「観客動員に勝る演出は無し」・・・果たしてそうだろうか?せめて一人一人がきちんと座れる状況を確保
し、たとえ動員数が減ってしまおうとも個人個人が満足し、落ち着いて音楽を聴ける状況を作るほうのが大
事ではないのか?はっきり言ってボクは自分の指定された場所から2、3席右に移動せざるを得なかった。
なんだか収容所に押しこまれたような気分になりました(←この表現は決して大げさではありません)。
 
 そしてもうひとつ。コンサートを作り上げることが仕事である彼らから、日にちがズレてしまったことに関して
何も謝罪が無かったことだ。いくら「台風」という天災のためとはいえ、このライブのために全国から7,500円
もの大金を支払って前日来たのに今日来れなくなった人がたくさんいたはずだ。彼らもその事実を知ってい
たはずだ。彼らがステージ作りのプロを名乗るなら、せめてその方々に対して、たとえその方々がその場に
いなくても謝罪するのがスジってもんだろう。なんか彼の口調がボクらより上に立っているような口ぶりに聞
こえて、ボクは長渕さんには悪いけど個人的にかなり不快感を抱いた。ライブに対してこんな感情を抱いて
参加するのは初めてだ。周りの観客の方々もその口ぶりからそう感じていたと思います。
 
 でも彼のライブは始まるんだ!気を取り直してボクはライブに臨みました。そして時刻は午後5時半になり
大型スクリーンには『Keep On Fighting』に乗せて、ド迫力なサウンドとともにメンバー紹介がなされている。
 
 
MUSICIANS
A.Guitar Toshiaki Usui   Guitar&Chorus Yoshimi Hamada
E.Guitar Jun Sumida   E.Bass Masatomo Ohmoto   Drums Eiji Shimamura
Keyboard Ryoichi Kuniyoshi   Saxphone Yoji Hiruta
Chorus Kayoko"jackie"Takahashi  Misa Nakayama  Keiko Wada
 
Produced by Tsuyoshi Nagabuchi
 
 
 彼がどこから現れるのかが焦点となり、辺りがざわめきはじめました。と、その時巨大スクリーンには
ジープに乗りこむ剛(あえて呼び捨てにさせていただきます(笑))が〜っ!
 
 そして何と剛はジープを駆り、観客席の周りを縦横無尽に駆け抜けていきます!一気に大歓声が起こり
そしてステージ横にジープをつけると、ステージ上に剛の姿が!
 
 そして分厚い鉄骨音のようなサウンドと共にライブが始まります!
 
<アポロ的全曲解説!>*色の変わってる曲は「アポロ・今日の一曲ライブラリー」で紹介しています*
 
1.Keep On Fighting
 1曲目に何が来るのかがボクらの楽しみになってました。最初聴いた時に戸惑いを感じたこの曲が
不思議と自然にフィットしました。やはりライブで好きになる曲が多いボクにとって、この曲もそうだっ
たのです!キーポンキーポンファイティンッイエ〜♪今では知らず知らずのうちに口ずさんでる(笑)。
 
2.情熱
 そして今回のニューアルバムの1曲目を飾るこのナンバーへ!場内の熱気は一気にヒートアップ!
一度どん底へ落ちてから這い上がるには情熱が必要だ。横や後には見向きもせず、ただひたすらに
前に向かって突き進め!というメッセージがいつのまにかボクの胸に響いてきていました。
 
3.すっからぴんのからっけつ
 そしてつづくはこのナンバー。意外と言っては失礼だけど、意外だったからこそうれしかったなあ。
それにしてもこのギターフレーズは何度聴いてもカッコイイ!歌的には「俺の心はすっからぴんのから
っけつ」なのですが(笑)、どうしてもライブがやりたかった剛の表情は満たされていたようでした。
 
4.LANIKAI
 まるで南の島に来たかのようなこの歌の時、誰が始めたのか新しい振り付けが観客の中でされて
いました。両手を真上に上げて、右へ左へ揺らすのです。へそ曲がりのボクは便乗しませんでしたが
(笑)「でもこれじゃ剛の姿が見えないよ〜」と叫びながら隣の方が両手を揺らしてるが印象的でした。
 
 
 3人のコーラスのお姉さま方と肩を組んで歌う剛に「相変わらず好きだな〜」ってヤジが飛びました。
周辺は大爆笑の渦。以前まではこんなクダけた雰囲気なかったけど、なんか微笑ましかったな。
 
 
5.Don't Cry My Love
 「懐かしい歌唄うよ。泣いちゃうかもしれないよ」と言って始まったのがこの曲。彼は昔の歌を歌う時
妙にわざとリズムを崩して歌いがちなんですが(笑)、この曲に関してはその崩しが妙に雰囲気に合っ
ていて、一気に惹き込まれました。相変わらず剛は米粒より小さくしか見えませんでしたが(笑)。
 
6.JEEP
 そしてギター一本を持ち出して彼一人の弾き語りが始まりました。最初はこの「JEEP」。ただ個人
的な意見なんですが、昨年の横浜スタジアムの時にも感じたんですが、とても好きな曲なのでもっと
じっくり歌いこんでほしいなあと思ってしまった。なんか行き急いでいるような感じがしてしまって・・・。
 
7.夏祭り
 イントロがギターから奏でられた瞬間、歓声が上がりました。まさにその場全員で大合唱になって
いました。熟年といわれる年になって、はかない少年の心模様を歌う剛の姿にみな心酔しきっている
ようでした。しかし相変わらず剛の姿は米粒大(笑)。でも不思議と一体感を感じたなあ。
 
8.東京青春朝焼物語
 「みんなで歌おう」との剛の一声で始まったのがこの曲。「今日から俺 東京の人になる〜↑うう〜
↓うう〜↑」というライブ用の歌い方にあまりなじめないでいるボクは、相変わらずオリジナルの歌い
方で歌いました。やはりここでもスーパーへそ曲がり度を発揮(笑)。でもやはりジーンとする名曲!
 
 
 そしてここで恒例となったハーモニカ投げ。やはりここで10,000円席と7,500円席の差を見せつけら
れるように、ボクらのところに当然届きません。別にい〜もんね〜だ(笑)。
 
 ここで剛は思いついたように歌い出しました。「まんまる〜お月さん〜」「海にお船が浮かんでる〜」
と即興で歌を披露してくれました。「へへ〜即興の長渕と言われてるんだよ〜」の声に場内爆笑。そ
してどこからともなく「まさお〜」との声が(笑)。これで笑えるあなたは相当マニアック(笑)。
 
 そして「昨日はほんっとうにやりたかった。もし友達に昨日来てて今日来れない人がいたら、長渕
が「ごめんね」って言ってたって伝えておいてね」・・・この一言で、冒頭に感じた不快感が一気に吹き
飛びました。やはりこの人はわかってくれていた。メチャクチャうれしい一言でしたね。そして「今日は
思いっきりやるからな〜!」とまたもやうれしい一言。やはり剛はスジを通してくれた。うれしかった。
 
 
9.俺らの家まで
 剛の口から「一緒に歌おう『俺らの家まで』〜」と放たれた瞬間、またもや大歓声!「機嫌直して〜
ツヨシ〜!」のお約束も気持ちよかった。一言でここまで観客をひとつにまとめ上げるアーティストが
他にいるだろうか?改めて剛の存在の大きさを思い知らされた瞬間でした〜。
 
10.傷ついた鳥
 盛り上がる会場を沈めるかのように始まったニューアルバムからの一曲。みな静かにただ一点
何かをなぐさめるように歌う剛を見つめています。このアップとダウンの差が剛の魅力のひとつでも
あるんです。自由に飛べることを信じて人はまた歩き出すように生きてゆく・・・染みますね。
 
11.He・La-He・La
 そしてライブ定番曲であるこの歌。剛の腰使いも絶好調!(笑)アコースティックギターの笛吹さん
との駆け引きもおなじみです。ただこの曲をライブで聴くたびに「もっと他の曲も歌ってほしいな〜」
と思ってしまうボクは不届き者でしょうか?(笑)でもこの曲聴かないと何か足りない気もするしな。
 
12.くそったれの人生
 ここからスピード感あふれる盛り上がりタイム(←勝手に命名(笑))。昨年の野外でも歌われて「
もう一度聴きたいな〜!」と思っていた曲がかかるって、これほどうれしいものとは思いませんでし
た。思い出深きアルバム『昭和』のスタートを担う一曲。当時の剛が確かにそこにいた。
 
13.泣いてチンピラ
 そして盛り上がりには欠かせないこの一曲!「He・La-He・La」と違って、この曲はライブで何度
演奏されてもいいと思える曲です(←やはり不届き者(笑))。そしてこの曲の途中に剛は再びジー
プに乗りこみ、いずこかへと去っていってしまいました。そして次の瞬間うれしい誤算が・・・!
 
 
 再び剛がジープに乗り現れたのはボクらの後ろ。なんとボクから十数メートルという至近距離に
!そして鉄塔の礎に乗り移り、拳を振り上げ続けています!この横浜赤レンガパークの会場はす
ごく細長いため、後の方々からはボクが感じるよりさらに剛が小さく見えたことでしょう。そんな方
たちのためにこんな演出をしてくれるなんて、なんてうれしい人なんだ!
 
 そしてスタッフがその場でマイクスタンドの用意をし始めました。ま、まさかここで歌うのか?も
う悲鳴にも似た歓声が上がっています。ちくしょう!もう少し後だったら真正面で剛が見れるのに
!(←かなり都合のいいこと言ってます(笑))そしてギターを抱え歌われた曲は・・・
 
 
14.巡恋歌
 この曲の弾き語りを間近で観れたお客さんは幸せ者です!ボクからはちょうど彼の後ろ姿しか
見えなかったので少々残念だったのですが、考えてみれば「巡恋歌」を歌う彼の後ろ姿を見てい
られるだけでも貴重な体験!でもやっぱりあの正面から早弾きを観てみたかった・・・。
 
15.GO STRAIGHT
 ギターをスタッフに渡し、まだ彼はそこにいてくれました。そしてこの曲のイントロがかかった時
彼は再びそこで歌い始めてくれたのです。途中でジープに乗りこみ再びステージに走り去ってい
ってしまいましたが、ボクはうれしい悲鳴を上げてしまいました。鼻っ柱が折られました(笑)。
 
 
 そして何と昨年に引き続き、ステージ前列の女の子をステージに引き上げ、踊りました(笑)。
「ズルイゾ〜!オレも一緒に踊りてー!」とボクの近くの人が叫べば(注:あんた男だろ(笑))、
「剛のヤロー、去年ので味をしめたな〜!」と言う人もいれば(笑)果敢に「私もそこ行く〜!」と
叫んでる女性もいました(笑)。客席の反応もおもしろい今回のライブです!
 
 
16.勇次
 そしてステージの要ともいえるこの曲の登場です。イントロがメチャクチャ長かったんですが
彼は着替えに行っていました(笑)。その間「倒れてしまったんじゃないか?」という声も上がりま
したが、元気にステージに戻ってきてくれました。そして当たり前田のクラッカー!(笑)
 
17.HOLD YOUR LAST CHANCE
 そして苦しい表情を見せながらも気持ちを落ちつかせて歌ってくれたのがこの曲です。何度
聴いても胸に来る楽曲。ラストの「チャ〜ンス!」と叫ぶと同じに突き上げられた左腕は、どこま
でも届きそうな光を放っていました(←注:アポロ的ビジョンです(笑))。やっぱりいい曲です。
 
 
 ここで本編終了。もう漆黒の闇に包まれた会場では、その闇を突き破るかのような「ツヨシコ
ール」が響き渡っています。去年アンコール前に約1時間ほど待たされたことを考えると「きっと
これだけのステージをしたんだから、そうとう休まないとキツイよな」と思った次の瞬間、もう彼は
出てきました。「おいおい、大丈夫なのかよ!」と逆に彼を心配してしまうほど短い休憩でした。
 
 
18.女よ、GOMEN
 何かのスタートを感じさせるこのイントロが流れてきた瞬間、もう場内は再び熱狂の嵐!あの
「ゴメンゴメン」の振り付けを会場全員がしています。でも少々剛の体が心配。きっと昨日できな
かった悔しさがその原動力になっているのかも。ガンバレ〜ツヨシ〜!そう叫んでいました。
 
19.人生はラララ・・・
 そしてニューアルバムのメロディアスな部分を担うこの曲。この曲の途中、彼は想いがこみ上
げたのか歌声が詰まってしまいました。会場に「泣くな〜!がんばれ〜!」の声が響きました。
「人生は一度しかないのだから生きているうちに生まれ変わろうよ」というこの曲に剛は自分の
人生を重ねたのかもしれません。ボクの中でますますフェイバリットな一曲になりました。
 
20.桜島(SAKURAJIMA)
 このライブの中で一番圧巻だったのがこの楽曲。この日の彼の歌を聴いて、この曲はライブ
のために作られたんだと実感しました。家で落ちついて聴くよりも、こうして彼の生の声で絞り
出される熱唱の中にこそ、この曲の本当の価値があると確信しました。吹き飛ばされてしまい
そうな迫力あるサウンド!そして咽が枯れようとも吐き出される彼の歌声。ここでこれほどなら
ば、いったい桜島ライブでのこの歌はいったいどうなってしまうんだ?と感じた凄い曲!
 
21.しあわせになろうよ
 そしてその「桜島」の興奮を沈めるかのように優しく歌われたこの歌。やはりこの曲は絶品で
す。でもなぜかどことなく淋しくなってしまうこの曲。この曲を聴いて「もうすぐこのライブも終わ
ってしまうんだ」という想いを誰もが持っていたはず。終わらないでくれ〜!と心で叫びました。
 
 

ここでアンコール終了。しかし観衆がここで黙って帰るはずもなく(笑)再び「ツヨシコール」が。

 
 
22.頑張れ!
 その声援に呼ばれるかのように照れくさそうに出てきた彼は再びギターを持ち出し、この曲を
歌ってくれました。「頑張れ!」・・・単純だけど深い言葉だなあってこの時思いました。この多少
疲れてる島国でいっしょに頑張っていこうよ!って語りかけてくれてる気がしました。
 
23.BAY BRIDGE
 「今何の曲やるかみんなで相談するから」そう言って円陣を組む剛とメンバー。そして繰り出さ
れたのがこの曲!まさに横浜ベイブリッジを臨みながら「BAY BRIDGE」が彼の生の声で聴ける
とは!初めに抱いた不信感もどこへやら。忘れられないライブになりました!
 
24.とんぼ
 まだ終わってほしくない!でもいつかは終わりが来る。そんなこの劇的なライブの終焉にふさ
わしい彼の代表曲です。真夏の夜の暑さを吹き飛ばすかのような大合唱!きっと東京湾じゅう
に響いたと確信する、もう言葉に出来ないくらいのフィナーレでした。
 
 
 ひとつひとつ照明が消えてゆき、とうとうこのライブが終わったんだと実感しました。「圧巻」
という言葉が軽く感じられてしまうような、そんな言葉にできないライブに参加できて本当によか
った。今日来れなかった方々に対してただひとつできることは、自分の全部をさらけ出して限界
まで歌い続けることなんだと彼は思ったのかもしれません。それほどのライブでした。台風のた
めに日付がズレたことは確かに不幸な出来事でした。でもその不幸も、米粒ほどしか剛を見る
ことができなかったことも、冒頭に抱いた不信感も、結局は剛の歌によって吹き飛びました。
 
 
 今回のニューアルバムを聴いて持った戸惑いもどこかに吹き飛びました。テレビに出まくって
「なんかマスコミに媚を売ってる気がする」なんて思いも抱いていたんですが、それもこの日の
ライブで吹き飛びました。やはり剛は剛なんだと!次の日仕事のことを考えて行くことを躊躇し
た12月に行われる武道館ライブ・・・やはり行くしかない!そして来年8月21日に行われる桜島
ライブ・・・やはり行くしか・・・それはもう少し先に考えよう(笑)。
 
 
  今回のチケットはニューアルバム『Keep On Fighting』のジャケットをベースに
作られています。う〜んまさにギターをいたわるようにかきむしる(←どっちだ?(笑))
彼の姿がカッコイイ!アリーナツアーでは今回以上のライブを見せてほしい!ただし
手抜きを知らない彼だけど、決して無理しないようにしてくださ〜い!
 
 
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