彼の初の映像作品。この前年の1988年・浜名湖畔にある渚園での野外ライブを中心に今まで彼が演じ |
てきたライブ映像をまとめたもの。極力歓声の録音がおさえられているため、ライブアルバムの『ON
THE |
ROAD』より臨場感は感じられないかもしれないけど、その分ライブ映像によって「これが浜田省吾のライ |
ブだ」というものが伝わってきます。生のライブには一回しか行ったことがないのであまり大口はたたけな |
いのですが(笑)。空と道の出会う場所へ走り続ける印象的なオープニングの後、彼のデビュー曲「3.路地 |
裏の少年」、真のデビュー曲と彼が自認する「4.終りなき疾走」と続きます。誰もいないホールでの弾き語り |
による「5.いつかもうすぐ」、アメリカの映像をふんだんに取り入れたミディアムチューン「6.AMERICA」、ライ |
ブでの定番曲となった「7.HELLO ROCK &
ROLL CITY」を挟み、今までのライブツアーのダイジェストが始 |
まります。この中では特に『とらわれの貧しい心で』と『僕と彼女と週末に』の完全なライブ映像が観たいな |
あ〜と個人的には思ってしまいました(笑)。人の心の奥底を突くロックチューン「8.MONEY」「9.DANCE」と |
続いた後、彼のバラードの代表曲ともいえる「10.片想い」。やはりこんな素朴さも彼の魅力だ。「11.明日な |
き世代」「12.八月の歌」「13.BIG
BOY BLUES」はメドレーで演奏されるけど、この3曲は華やかさの中に隠 |
れている「失意」がキーワードだと思う。スタジオでのレコーディング風景とステージ裏を映したアカペラ曲 |
「14.こんな夜は
I MISS YOU」に続き、青年の恋に対する傷跡を歌った「15.愛のかけひき」が。いや〜この |
曲には麦わら帽子と黄昏時の空がよく似合いますね〜。そしてドラマティックなバラード曲「16.丘の上の愛 |
」。この曲には暗闇がヒジョーによく似合います。そして代表曲ともなった「17.J.BOY」。路地裏の少年がJ. |
BOYに成長した瞬間を見たような、そんな感じがしました。そしてこのビデオのクライマックスであり、最大 |
の見所である「18.DARKNESS IN THE
HEART(少年の夏)」が始まります。父親を失った瞬間、J.BOYは |
またひとつ階段を駆けあがる。心の暗闇と対峙する彼の姿が胸に焼きつく思いがします。そしてツアーの |
主題曲ともいえる「19.ON THE ROAD」へ。この道の彼方に何があるのかはわからないけれど、きっと約束 |
された場所があると信じて進む・・・生きることって、きっとこういうことなのかもしれない。とにかくこのビデ |
オは彼の歩んできた『ON
THE ROAD』という道の集大成です。み、見ごたえあるなあ。 |