10thアルバム
「J.BOY」
1986年9月4日
 初めてチャート誌で1位を獲得し、彼の名を一気に有名にした2枚組アルバム。彼が今まで
発表してきた作品の要素が全体にちりばめられ、全18曲ながらどの曲も充実している感があ
ります。「1.A NEW STYLE WAR」では冷戦時の世界情勢、そしてこれからの軍事社会に警鐘
を鳴らし、かと思いきや「2.BIG BOY BLUES」では、夢を手に入れたはずなのに釈然としない
ある少年のシャウトが感じられ、「3.AMERICA」では他国で自分自身を見つめなおす青年像を
描き、「4.想い出のファイヤー・ストーム」では若い恋人たちの出会いとすれ違いを(「ラストシ
ョー」に雰囲気似てるね)、相手の心をわかろうとしない心の欠けた男を歌ったミディアムバラ
ード「5.悲しみの岸辺」、人生の勝ち負けを歌った「6.勝利への道」へと続く。何度負けたって人
生って勝つまでやり直せるんだよなってことを教えてくれるロックチューンだね。「7.晩夏の鐘」
はサックスフォンの音色が美しい、彼が両親に捧げたインスト曲、「9.LONELY」はもう若くはない
希望など待ってはいない切ない大人の恋を、中でも認知度が高い「10.もうひとつの土曜日」
友人に恋した女の子を想う男の気持ちが刻み込まれています。DISK 2に目を向けてみても、
ほろ苦い予備校時代の恋の回想劇である「11.19のままさ」、それに続く紆余曲折を体験した
大学生のキャンパスライフ「12.遠くへ」、デビュー曲につづきの詞を追加してリアレンジした「13.
路地裏の少年」、故郷広島について戦争や原爆を絡めながら「そこには勝者も敗者もいない
」と主張するメッセージソング「14.八月の歌」、一転夢のようなアカペラ曲「15.こんな夜は I MISS
YOU」、そしてこのアルバムの主題曲「17.J.BOY」はこの国で生まれこの国で育ち、この国で働
いている日本人への応援歌的な絶唱曲。尾崎豊が「これはまさに自分のことを歌っている」と
感想を漏らしたのは有名な話。そしてラストのインスト曲「18.滑走路〜夕景」が優しくフィナーレ
を飾る。このボリュームなのだから、一番聴衆を集めて当然な内容の一枚、いや二枚だよな。
1 A NEW STYLE WAR
2 BIG BOY BLUES
3 AMERICA
4 想い出のファイヤー・ストーム
5 悲しみの岸辺
6 勝利への道
7 晩夏の鐘
8 A RICH MAN'S GIRL
9 LONELY 〜愛という約束事〜
10 もうひとつの土曜日
11 19のままさ
12 遠くへ 〜1973・春・20才
13 路地裏の少年
14 八月の歌
15 こんな夜は I miss you
16 SWEET LITTLE DARLIN'
17 J.BOY
18 滑走路〜夕景
   
   

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