2nd アルバム
無から出た錆

05.2.23

 
1. 長い話
2. 夏蝉
3. あなたに逢いたい
4. 景色
5. おうちを忘れたカナリア
6. 新春白書
7. 雨
8. 説教と楓
9. ムーンスター
10.イマジンが聞こえた
11.夢のある喫茶店
12.祖母と二人で
13.風のひこうき
14.私をたどる物語
 
 
 
 
 
 すごく詩的で”作品”という色合いが強かった前作に比べ、ごく身近な日常をテーマに歌っている2ndアルバ
ム。等身大の自分を歌うことによって、彼女の息遣いが聴こえてくるような気がする一枚です。「1.長い話」
17歳の頃からの自分の遍歴を語るように綴った楽曲。思春期から大人になる過程のほろ苦さがよく出てま
すね。「2.夏蝉」は戻りたくても戻れない学生時代の自分に想いをはせる曲。あの頃は早く大人になりたいと
思っていたのに今では・・・うん、ボクもそう(笑)。「4.景色」は、社会という漠然とした中に身を投じることに期
待と不安を感じる少年の思いを歌った曲。そう、銃弾が飛んでくるか愛がころがりこんでくるか・・・最終的に
は僕しだいなんだよな。「5.おうちを忘れたカナリア」は前曲との繋がりを感じる歌。いざ社会に出てはみたけ
れど淋しさや無力さを感じた時、人は誰だって呆然としてしまう。でもそれを繰り返すことで強くなれるような気
もする。「6.新春白書」は流れるようなメロディーの中で「君に会いたい」っていう自分の誓いをつぶやくように
歌った楽曲。「会いたい」って思いが、人にそれ以上の力をくれるのかもしれないな。「7.雨」は1stアルバムの
匂いがするメランコリックな楽曲。部屋の外からしてくる雨の音に”君”への想いを綴ったバラード曲。「8.説教
と楓」は自分が若い時はどうだったとか、そんな説教をされた少年の反抗心とまではいかないけど(笑)「僕は
君にはならないよ」というような自立を歌った曲。この気持ち、ヨクワカル(笑)。「9.ムーンスター」は、名づけよ
うのない感情に支配された不安定な自分を、素直な言葉で歌ったポップな曲。「10.イマジンが聞こえた」は今
も世界のどこかで続く戦争と、”9.11”への自分の想いを歌にした楽曲。考えてみれば”理想の世界”ってどん
な世界なんだろう?それを追い求めていくことにこそ、実は意味があるのかもしれないな。「11.夢のある喫茶
店」は、確かに現実的な話も大切だけど、どうせなら今の自分にはない、自分の夢というものを話そうよ・・・っ
ていう、だからこそ現実的に感じるテーマを歌った曲。「12.祖母と二人で」は妙に懐かしさを感じる不思議な楽
曲。確かに長い人生いろいろある。でもそれを口にすることができるのは実際にその長い人生を過ごしてきた
人だけなんだよな。風景が目に浮かんでジーンと来る曲です。「13.風のひこうき」は、卒業をテーマにしたすご
く優しさを感じる楽曲。レールのある列車と違い、飛行機には決められたレールはない。人生もそうだよね・・・
そんなメッセージが伝わってくる歌ですね。う〜む、このアルバム全曲シングルにできそうな、そんな名曲の詰
まった宝箱みたいなアルバムですね。(詳しくは「このアルバムを聴け!」へ

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