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連載5回で終わる予定が約5年も続いてしまったという手塚治虫の大ヒット作品。
真っ黒なマントに身を包み、法外な治療費を取る天才無免許医。
しかし彼は隠れた優しさと、医者としての信念を持っている。
漫画家生活30周年を記念して昭和49年(ボクはまだ2才!)に始まったこの作品には
手塚漫画の歴代のキャラクターたちが入れ替わり立ち替わり登場する。
そして、彼をとりまくピノコの存在もエピソードに花を添えている。
 
*中でもとくにボクの心に残ったエピソードには印がかぶせてあります。*
*「これから読む」という方のために、極力ストーリーをぼかしていますが、
わかってしまったらごめんなさい。*
 
83.「鳥たちと野郎ども」

Birds To The Rescue

 南イタリアのある村に呼び出されたブラックジャックは、そこで少年を治療す
ることになる。鳥たちと異様に仲がよい子であったが、実は・・・。もしかしたら
人間よりも動物たちの方が、忠義に厚い生き物なのかもしれないな・・・。
84.「灰色の館」

Burning Revenge

 ある丘の上の屋敷にある人物を治療に来たブラックジャックとピノコだったが
その患者の全身は目も当てられぬほどの火傷でただれあがっていた。狂気の
愛・・・それは外界と遮断されればされるほど、ますます強くなるものなのか?
85.「ネコと庄造と」

Feline Family

 猫たちを自分の本当の家族だと思い込んでいる庄造は、がけ崩れで家族を
失い精神に異常をきたし、ネコたちを家族と思い込んでいるという。 コミカル
なようで明日起り得る話だ。笑える話ではない。
86.「ふたりのピノコ」

The Price of Pollution

 公害汚染の町でブラックジャックが出会ったのはピノコそっくりの女の子だっ
た。人々が病に苦しむ中、ついに彼女の身にも・・・。手塚治虫の描く作品には、
人間の環境破壊を告発した作品が多い。とても痛いラストシーンに涙・・・。
87.「不発弾」

Unexploded Bomb

 気球の試乗運転に招待され、無人島に不時着したブラックジャックと井立原
社長。しかしこれら全てはブラックジャックの仕組んだものだった。ブラック
ジャックの過去がついに暴かれる。そしてなぜ法外な手術料をとるのかも・・。
88.「おとうと」

Brotherly Love

 ある会社社長から「1年間息子になってくれ」と頼まれたブラックジャックは彼の
兄がガンであることを聞く。しかしこの兄弟にはむかし・・・。こんな話なさそであ
るから不思議(笑)。え?あいつが?って人がけっこう名を成したりするんです。
89.「上と下」

Blood Connection

 ある建設中のビルの主である社長が貧血で倒れた。なんのことはない貧血だ
ったが、実はこの社長の血液型は何百万人にひとりのものだった・・・。利益を
とるか、仁義をとるか、究極の選択。できれば後者と言いたいんだけどな・・・。
90.「戦場原のゴリベエ」

The Milk Monkey

 人間を襲っては牛乳を奪っていた戦場ヶ原の猿ゴリベエ。仕留めようとした
ブラックジャックが彼のすみかで見たものは・・・。やはりこのエピソードも後味の
悪い終わり方をしている。そういう話のほうが記憶に残るのだろうか。
91.「黒潮号メモ」

Tenacious Black Jack

 作家・帆村六久はカヌーで航海に出た。が、その直前ある車と接触事故を起

こし、中の子供を死なせてしまっていた。何の気なしに描かれているがマスコミ
は命を軽く扱いすぎるという警鐘ではなかろうか。
92.「白い正義」

Black And White

 東西大学病院の白拍子医師は、飛行機の中で苦しむ男を見つけ、悪評高い
ブラックジャックに診療させるくらいなら、と自分の病院へ連れて行ってしまう。
世の中には教科書通りの正義がすべて通用しないという見本みたいだ・・・。
93.「一ぴきだけの丘」

Home To The Hills

 人になつく野生熊タローに助けられたブラックジャックは自然保護のため一億

円を寄付する。しかしタローに残された時間は・・・。本当に、動物ものを描かせ
たら上手いと拍手してしまう。野生動物と人間の共存って難しい・・・。
94.「曇りのち晴れ」

Cloudy, Later Fair

 あるホテルの嘱託医はホテルのストライキのため、治療中にもかかわらず患
者を放りだし、そそくさと出て行ってしまう。そこへ・・・。ふたつの偶然の物語が
織り成す人情話。手塚先生らしいそのストーリーは読後もさわやか(笑)。
95.「ハリケーン」

Hurricane

 ある離れ小島に住む大富豪の手術を依頼されたブラックジャックは、そこで
遺産相続の争いに巻き込まれてしまう。生きたいものが死に、死ぬべき人間が
生き残る・・・要は心の持ちようってことなのかな、人生って。
96.「タイムアウト」

Race Against Time

 渋滞中、数え切れぬほどの鉄材を積んだトラックが、あるタクシーの前に止ま
った。だが積載量オーバーのため、鉄材は崩れ落ち、幼児が下敷きに!罪の
なすりあい・・・どちらが悪いにせよ、子供のあの笑顔だけがこの話の救いだ。

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