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連載5回で終わる予定が約5年も続いてしまったという手塚治虫の大ヒット作品。
真っ黒なマントに身を包み、法外な治療費を取る天才無免許医。
しかし彼は隠れた優しさと、医者としての信念を持っている。
漫画家生活30周年を記念して昭和49年(ボクはまだ2才!)に始まったこの作品には
手塚漫画の歴代のキャラクターたちが入れ替わり立ち替わり登場する。
そして、彼をとりまくピノコの存在もエピソードに花を添えている。
 
*中でもとくにボクの心に残ったエピソードには印がかぶせてあります。*
*「これから読む」という方のために、極力ストーリーをぼかしていますが、
わかってしまったらごめんなさい。*
 
42.「虚像」

False Image

 20年前の小学校の同窓会に出席したブラックジャックは、クラスの代表として担任
の志摩先生を探し出すが目も当てられないほど変わり果てていた。ノスタルジックな
雰囲気を醸し出す作品。ブラックジャックの最後の「先生、達者で・・・」がなんかいい。
43.「悲鳴」

The Scream

 高校2年生の朝戸レイは放送部員で、その美声に学校中が酔いしれるほどだった
がある日、その彼女の声が急に出なくなってしまったのだった。「病は気から」という
言葉があるが病気を治すのにだって本「気」が必要なんだ。治したいという真剣さが。
44.「ゴーストタウンの流れ者」

Outlaw In A Ghost Town

 車の故障のため、ある荒野で足止めを食ったブラックジャックはまったく人気のない
町に辿り着いた。そこで彼は腕に重傷を負った男に出会うのだが。男は立ち直ったが
彼は再びアンと会うことができたのだろうか?そこを描かないところにまた味がある。
45.「ピノコ・ラブストーリー」

Pinoco's Love Story

 ラブレターを書いていたピノコが気になったブラックジャックは、彼女に相手を訊ねる
が教えてはくれない。世の中に内臓の位置が全て逆って何人いるんだろ?「太陽に
ほえろ」の三田村邦彦が確かこのパターンだったな(まったく関係のない情報(笑))。
46.「地下水道」

Rats In A Sewer

 過激派グループが敵アジトを爆破しようと地下水道で爆薬を仕掛ける手はずを取っ
ていたが、誤爆してしまう。ブラックジャックは重傷者を手当てするためにそこへ連れ
ていかれるのだが。自分さえよければ。その発想が事故につながったのだと強く思う。
47.「海は恋のかおり」

Love Call From The Sea

 「からだ中の刺青を取ってくれ」とやって来た少年は、ブラックジャックのかつての恋
人・如月恵と結婚したいと申し出るのだが。彼はブラックジャックの言ったとおり一人
前の仕事をし最後には立派な水夫になって彼女(?)のところへと旅立っていった。
48.「山手線の哲」

Light Fingers

 山手線の乗客ばかりを狙う箱師(車内スリ)・哲は、警視庁の刑事の目をかいくぐり
ながらいつものように「仕事」をしていた。が、ある時知らずに暴力団の金に手を出し
てしまう。ブラックジャックはおどされてただ指をくっつけるだけの、トホホな役回り。
49.「肩書き」

Title

 A国のブリリアント3世は念願のブラックジャックの手術を見るために来日したが無
免許が問題となり外務省に執刀医師を変えられてしまう。彼はブラックジャックにも似
たアウトロー的な一面を持っていた奴だったな。彼のひげはもしかして「つけひげ」?
50.「落としもの」

Lost And Found

 ある家族の夫と息子は不治の病で寝たきりになっている妻を救うべく、全てを捨て
てブラックジャックに渡す治療費を作った。ところがその夫はブラックジャックに治療
費を渡しに行く途中金の入った封筒を落してしまうのだが。ブラックジャックも意地悪。
51.「焼け焦げた人形」

A Father's Gift

 暴力団「奏竜組」組長とその息子は車に仕掛けられた爆弾により大やけどを負う。
一度は手術を拒否したブラックジャックだが、焼け焦げた人形を見た彼は。幼少の
自分をその息子に重ねたのだろう。ストーリーも含め、かなりシリアスなエピソード。
52.「デカの心臓」

Gentle Giant

 デカと呼ばれた少年は、その身体の大きさから相撲界やプロレス界から注目されて
いた。が、実は彼はスポーツマンになり得ないある欠陥を持っていた。しかし彼の趣
味が鯉を育てることってのがアンバランスでおもしろかった。オチもピリリと利いてる。
53.「ガス」

Poison Capsule

 ピノコが風邪薬だと思って飲んだカプセルは、実は2、3日前に自殺しようとした患者
からブラックジャックが取り上げた青酸カリだった。ラストはなんとも微笑ましい光景
だが、考えてみるとおっかない話である。このスピード感もこの作品の魅力ですね。
54.「万引き犬」

Thieving Dog

 万引き犬ラルゴは、人の迷惑になるようなことばかりしているように思われたが、実
はその行動には意味があった。アホづらな犬だったけどなぜか親近感がわいてくる。
ブラックジャック全ストーリーを通しても心に残るエピソード。ラスト付近で一変します。

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