TSUYOSHI NAGABUCHI LIVE 2003 ”Keep On Fighting
2003.12.4 at 日本武道館
 
 
 あわてふためきながら席に着くと、ちょうど左斜め上からステージを見下ろすような位置でした。
相変わらず金属音とコーラスが鳴り響き、今回のメインテーマ”Keep On Fighting”の前奏が流れ続けています。
そして長い前奏のあと、彼がついに歌い出しました!
 
<アポロ的全曲解説!>*曲目の色が変わってる曲は、アポロ「今日の一曲ライブラリー」で紹介しています。
 
1.Keep On Fighting
 もうこの曲を初めて聴いた時の違和感なぞどこ吹く風!メッチャクチャ好きな一曲になりました。
まさにこれぞ長渕剛というアーティストを表してる曲だと思います!でも手の振り上げ方が小刻み
で思わず笑ってしまいそうになりました(笑)。闘争心を維持して、さあ今回のライブの始まりです!
 
2.情熱
 つづいて軽快なイントロと共にこの楽曲の登場!「情熱」っていうこの言葉・・・一般的にはなんだ
か熱くて少し敬遠されがちな言葉ですが、そんな言葉こそ実は今最も求められているものなんじゃ
ないかなって、彼の歌声を聴いて思いました。やはりこの曲での振り上げも小刻みです(笑)。
 
3.しゃぼん玉
 そして耳慣れたイントロ・・・この「りんりんと泣きながら〜♪」っていうフレーズのところで徐々に
上に立ち昇ってゆく「しゃぼん玉」のような感覚になれるところが大好きなです。そうそう、ボクの列
の並びには、ホントにしゃぼん玉を飛ばしてる人がいました。用意がいいな〜(笑)。
 
4.LANIKAI
 ここでも狭い中で腕を左右に揺らさなくてはいけないのか〜!?(笑)この曲を聴いた時に、今
までの彼のライブでは考えられないような雰囲気だよな〜って思ってしまいました。でも彼こそ進化
し続けるアーティストなんだと思うと、ミョーに納得できてしまうから不思議なんですよね〜(笑)。
 
5.とんぼ
 シンセを多用したイントロが鳴り響く中、いったいどんな曲が始まるんだろう?と思っていたら歌い
出されたのがこの曲!サビ部分でのみバンドサウンドになるのですが果たしてこの曲の雰囲気に
合うアレンジなのか?いや!この試行錯誤こそ長渕の本髄!この深遠なアレンジ、好きです。
 
6.Don't Cry My Love
 「飛びっきり上等なラブソングを唄います」と言って始まったのがこの曲。彼が昔の歌を歌う時、か
なりの確率で昔通りのメロディーで歌うことは少ないんですが(笑)、見事に雰囲気変わってしまうん
ですよね〜!まるでアカペラを聴いてるような、そんな感覚に陥ってしまう歌。照明もキレイでした。
 
 
 ここでちょいとMCが。「実は年末、紅白歌合戦に出場することになりました」との一声に大歓声!
仙台のライブにNHK関係者が来て「長渕さん、どうか紅白に出てください!」と頭を下げられた時、
「出てやるよ」と彼が言ったというくだりには笑ったなあ。あの時は若かったから5分のところを15分
も歌っちゃったよ、とか(笑)。でも今度もいい契約ができた、というから楽しみだなあ。
 
 それから「そろそろ長渕剛の隠れファンって言わないで、堂々とファンだと言いなさい」って言って
たなあ。最近の彼はこれが口ぐせになってるみたいですね(笑)。
 
 
7.俺らの家まで
 しかしこの曲がかかると盛りあがるなあ。やっぱり彼の初期の曲って今演奏されるとすごく感慨
深くなってしまうんですよね。バラードでなくこういう軽めの曲でもそうなってしまいます。そして「機
嫌直して〜ツヨシ〜!」もいまだ健在(笑)。こういう引出しをたくさん持ってるからいいんだよな〜。
 
8.LICENSE
 「今からブルースやるよ〜」と弾きだしたのがこの曲・・・っていうより曲の原型をとどめてはおら
ず、ほぼ新曲といっても過言ではありません。どちらかというとこの曲はシーンと静まり返った会場
で彼だけがただひとり歌ってる・・・っていう印象が強い曲だったので、すごく新鮮に感じました。
 
9.くしゃみじゃなくてよかったよ
 『LICENSE』に引き続き歌われた前アルバムのこの曲。まさにノリがいいっていうか、ほぼノリで
演奏されたっていうのも否めない感じがする(笑)。君の誕生日にクリスマスケーキの前でしたのが
くしゃみじゃなくてあくびでよかったっていうすごくシンプルなラブソングですが、彼らしいな〜。
 
10.激愛
 3曲続けて座ったまま続けられた最後の曲。まったく彼のライブでは歌い出されるまで何の曲が
歌われるのかがわからない!そこがまた楽しみなんですけどね(笑)。オリジナルでは瀬尾一三氏
のシンセ・アレンジが印象的でしたが、この日のギター一本でのアレンジもよかったなあ。
 
11.He・La-He・La
 ここからライブ定番曲のオンパレードです。ただ、ファンの方々には怒られるかもしれませんが
毎回思うことなんですけど、この曲やるんだったらもっと新しい歌を歌ってほしいなって思うんです。
実際に今回のアルバムで聴きたい曲もっともっとあったのになあ。でもまあいっか(笑)。
 
12.くそったれの人生
 去年の横浜スタジアム、そして今年の赤レンガ、今回と3回続けて歌われたロックチューン。やは
りこの曲は彼の音楽への原点ともいえるアルバム『昭和』の一曲目ということもあって特別な曲で
す。「明日からサングラスを捨てよう〜♪」・・・今もしてるじゃね〜か!とは言わないように(笑)。
 
13.泣いてチンピラ
 今ではこの曲がかからないとライブに来た実感が湧かなくなってしまいました(笑)。どちらかって
いうとCDを聴いて歌詞を憶えたのではなく、毎回ライブに来て歌うことで憶えていった・・・というボク
にとっては珍しい曲です(笑)。でも歌詞っていうよりこの曲の持つ勢いがとにかくすごいな〜。
 
14.勇次
 「勇次歌うぞ〜!」と彼が言ったかどうかはもう憶えていませんが(笑)とにかくこの時ライブ会場
の雰囲気は最高潮!みんなこの時を待っていたかのように身を乗り出して歌っていました。やはり
彼の歌の引出しは数多い。そんな彼の今までの蓄積を歌いながら感じてしまいました。
 
15.桜島 SAKURAJIMA
 本編のクライマックスはやはりこの曲!ドラムスの静から動へと移り変わるイントロから引き込ま
れ、ステージ上には5本の火柱が!きっとステージは熱いだろうなあって違うだろ!(笑)まさにどん
な動乱の時期も常に噴煙を上げ続けてきた桜島の高揚感が、この東京は九段下にある日本武道
館にも襲来した瞬間です!それにしても何度聴いてもでっかい歌だなあ・・・。
 
 
 本編が終了し、いつもならばかなりのインターバルをとってからアンコールに行くのですが、この
日は開演時間が遅れていたとあってすぐさま出てきてくれました(笑)。そして「まだまだ行くぞ〜!
」との彼の叫び声とともに、すぐさまライブモードのボタンのスイッチが再び押されました〜!
 
 
16.女よ GOMEN
 もう「女よ〜GOMEN、GOMEN」の観客の振り付けが板についてきたこの楽曲です(笑)。なんだ
かここ最近のライブでは『昭和』『JEEP』あたりの楽曲が歌われることが多くなり、ヒジョーにうれし
い気がします。そしてこの日も当然「女よ〜GOMEN、GOMEN」でした(笑)。楽しいな〜!
 
 
 実はこの日のライブでは、ステージの左右の端に彼が台の上に乗って二階席までせりあがる
装置がとりつけられており、先ほどはボクが座っている反対側の台に彼が乗り、「なんで向こうだ
けでこっちに来てくんないんだよ〜!」と思っていたら、この時になって来てくれました!しかも彼
の横にはギターが!も、もしやこんな近距離で彼の弾き語りが聴けるのか〜!?・・・予感は的
中!この席でよかった!(←ヒジョーにゲンキンなヤツ(笑))アコースティックギターをポロンと弾
いただけで意識が喪失するほどの大歓声が響き渡りました。そして歌い出されたのが・・・
 
 
17.いつものより道もどり道
 彼のデビューアルバム『風は南から』に収められた、ライブで聴くのは初めての曲です!今では
もう別れてしまった彼を思う女心を綴った哀しい曲なんですが、やっぱり今目の前で彼に生で歌
われると不思議な温かさを感じてしまうんですよ。すごく心に染みる一曲でありました・・・。
 
18.頑張れ!
 今回のニューアルバムからの一曲。実はこの曲、ライブを聴いてから好きになったという、ボク
のいつものパターンの曲なのです(笑)。こんな誠実さの失われつつあるこの国だけど、みんな前
を向いて頑張っていこうぜ!っていう彼のメッセージが胸に飛び込んでくる軽快な歌ですね〜。
 
19.しあわせになろうよ
 最近この曲を聴くたびになんだか涙があふれてきそうになります。やはり涙腺というものは年を
とるたびにゆるくなるものなんだなあ・・・としみじみ感じさせてくれる曲です(笑)。人間はどんな状
況に追いこまれても、やり直しがきく生き物なんだよっていう彼の優しいささやきを感じました。
 
20.明日へ向かって
 腕時計を指さして「まだやるの?」っていう最近のライブのラスト付近では恒例になったジェスチ
ャーのあと(笑)繰り出されたロックナンバー。さあまた明日から仕事だ!(笑)何かをくよくよ悩む
より、明日に向かって突っ走ってゆけばいいっていうフレーズに何度励まされたことか(笑)。
 
21.さようならの唄
 『明日に向かって』が終わりステージ上の全員が舞台の袖に引っ込んだあと、彼ひとりだけギタ
ーを持って再び登場。初期のライブ盤『LIVE』にしか収められていないこの曲を最後に演奏してく
れました。「つたない僕の唄だけれど 精一杯唄ってあげられるから 今この時をさようならと呼
ばないでおくれ」・・・舞台の袖ではメンバーの方々も、うっとりとして彼の唄に聴き入っています。
全然つたなくないよ!・・・そう思わずにはいられない、すごく温かい終演曲でした。
 
 
 「2004年8月21日 今度は桜島で会おう!」・・・この一言を残して彼はステージから去って・・・い
や「明日深夜1時からオールナイトニッポンやるから聞けよ!」とも言ってたっけ(笑)。今年の彼
はホントに精力的という表現では足りないほど、若者たちと向き合い、社会でがんばってる人たち
と向き合い、そして彼と同世代の方々と、ラジオ、作品、ライブで向き合ってきました。彼がいて
彼の音楽を愛する人たちがいる限り、この国もまだまだ大丈夫だ!・・・そんなことを感じながら
少し枯れ気味の声に充実感を感じながら日本武道館をあとにしたボクでした!
 
 
 今回の彼のライブのパンフレットの中の言葉に「愚かでもいい 馬鹿でもいい ぼんくらでもいい
やんちゃやったっていい 優しさがお前の心にあれば 何やったってかまわねえよ」という一文が
あります。この言葉を読んだ時、胸に熱くなるものを感じました。そうだ、相手に対する優しささえ
失わなければ、立ち止まることはないよな!・・・改めて彼を前以上に好きになった瞬間でした。
 
 

来年夏の桜島・・・もう誰に止められようとも行っちゃいそうです・・・(笑)。

 

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