1stアルバム
『えんぴつで作る歌』
2004.7.28
 
1. 福田の夕陽
2. とうきょう
3. せんこうの華
4. 星から吹く風
5. 風は海を渡れる
6. ぼくの夏休み
7. 君の分まで
8. 君のくつ
9. 「ただいま」の予感
10.いつかの僕へ
11.君との約束
12.桜の隠す別れ道
13.夕暮れ時の帰り道
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 斉藤和義をプロデューサーに迎え製作されたメジャー第一作目。そのオープニングを飾る「1.福田の夕陽」
切な過ぎるハーモニカの旋律とともにアルバムは幕を開けます。できればずっと一緒にいたかった・・・そんな強
い想いがこちらにまで響いてきます。「2.とうきょう」は文字通り”東京”という街で”あなた”をさがす物語。でもそこ
で浮き彫りとなったのは”東京”という街がどこか空虚で悲しい場所だったということだ。「3.せんこうの華」は夏か
ら秋にかけてのもの悲しさが十二分に表現された楽曲。線香花火っていうのはいつやっても悲しいものですね。
「4.星から吹く風」はいつもあなたのそばにいたつもりなのに、あなたは僕とは違う季節を過ごしていたんだ・・・と
思い知らされた少年の悲しみが綴られています。「5.風は海を渡れる」は春の歌。今希望に満ちている僕の心を
遠い街に住んでるあの人にも届けてほしいと願う、爽やかな中にも悲しみを感じる楽曲。「6.ぼくの夏休み」は直
次郎くん作のポップソング。夏に見つけた貝殻をもう一度見つけ出したい・・・そこには夏に残したもう届かない傷
のようなものを感じます。「7.君の分まで」は目の前にはもういない君の分まで僕は生きたい。僕の生きる道には
いつも隣に君がいるんだよっていうメッセージが広がってる気がします。「8.君のくつ」は、あの日に帰りたい。で
も帰れるすべもない。だけどもしかしたら僕が選んだ「君のくつ」なら帰れるかも・・・という淡い期待を抱く少年の
心情が描かれてる。「9.「ただいま」の予感」は聴けば聴くほど、そのいじらしさに涙がこみ上げてくる楽曲。きっと
帰ってくる!・・・そう信じながら少年は今日も待ち続けているんだ。「10.いつかの僕へ」は少年から大人になる時
忘れずにいたいものを歌にしてるんだけど、でもきっと忘れてしまうんだろうなってわきまえてるとこが少年ばな
れしてるよなあ(笑)。「11.君との約束」は君と歌える日を夢見て歌っていくよっていう願いをこめたポップな楽曲。
「12.桜の隠す別れ道」は後世に残る名曲!(とボクは思います)”桜”ってすごく華やかなイメージがあるけど、実
はその桜の花びらに覆いつくされた悲しい別れがたくさんあるはず。この曲もそんな悲しい別れを歌い上げてい
る。「13.夕暮れ時の帰り道」は文字通り黄昏時の帰り道の心境を歌った一編。もし今日へこんでたとしても明日
はきっと笑って通りすぎれるさって部分、共感しますねえ(笑)。このアルバム全体に言えることなんですが、”君”
をいなくなってしまった母親だと思って聴いてみると、母を想う少年の心としてまた感慨深いものがこみあげてき
ます。直次郎くんの成長期にともない「2.とうきょう」「12.桜の隠す帰り道」でしか彼の少年期の声が聴けませんが
それも含めてふたりの成長を記したまさに”アルバム”なのかも。とにかくこの盤は心に突き刺さってきますねえ。

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