EXTRA VIDEO
「ROAD OUT "MOVIE"」
1996年2月29日
 ライブ映像だけでなく、海外ロケによる映像もふんだんに取り入れられたバラエティーに富んだ映像作品。
ライブは「ON THE ROAD ’90」以降のものが使用されています。まず最初はアメリカの荒野にあるさびれた
ガソリンスタンドで浜田さんが愛車に給油するというシーン。なんかいいな(笑)。そしてその荒野のフリーウ
ェイを走り出すと同時に始まる「1.夏の終り」はまさに歌の世界。海の見えるプールサイドでの演奏もすごく
いい味が出ています。続く3曲はライブ映像から。「2.モダンガール」はサックス隊の印象が強いスローナン
バー。「3.悲しみは雪のように」は画面全体に雪を降らしているのが印象的。”ステージに雪”といえば、「雪
降らしてえんだよ」と言ってホントに降らしてしまった長渕さんを思い出す(笑)。「4.ラストショー」はロックチュ
ーンですがすごく切ない歌だよなあ、と再確認。蒼白い照明が雰囲気をさらに高めてくれます。『エド・サリバ
ン・ショー』風に撮影された「5.こんな気持ちのまま」は着せ替え人形のように次々と衣装が変わってゆくのが
観ていて楽しい。雰囲気を変え、黄昏時の海辺で演奏された「6.少年の心」はまさに切ない曲のイメージにピ
ッタリのシチュエーション。再び今度は「ON THE ROAD '91 ONE AND ONLY」の野外ライブに戻って「7.MAIN
STREET」。アルバム『メインストリート』の中では「MONEY」や「DANCE」に隠れて比較的地味な印象のこの曲
ですが、実はボク大好きなんですよ。「8.BASEBALL KID'S ROCK」はプロ野球の老選手の悲哀を歌った楽
曲ですが、ステージ上のコミカルな演技に思わず微笑んでしまいます。そう理由はただひとつ”ただ好きなだ
け”・・・これって簡単なようでいて実は深い言葉だよなあ。ビルの屋上で撮影された「9.今夜こそ」はメンバー
全員のファッションが素敵。う〜むみな若者だなあ(笑)。アコースティックな演奏が印象的な「10.サイドシー
トの影」は狭いホテルの一室でオレンジ色の灯りに照らされながら歌われている。誰にも言えない男の独り
言を歌うこの曲の雰囲気にピッタリ。そしてこの時点での最新オリジナルアルバム『その永遠の一秒に』から
「11.境界線上のアリア」「12.傷だらけの欲望」をライブで。前にも何処かで書いたけど、特に「境界線上〜」の
「黄金色の〜」の部分からピアノのフレーズに至るまでの旋律がすごく好きなのです。「傷だらけ〜」には艶か
しい女性の映像が散りばめられてますね〜。男の本心をこんなにも赤裸々に歌う彼に圧巻されます。そして
やはり外せない名曲「13.J.BOY」。彼の背骨を支える歌だと思います。ボクがこのビデオで一番うれしかった
のは「14.とらわれの貧しい心で」。雪中を歩き、観客の誰もいない野外ステージでひとりきりで歌う彼の姿に
「この人は20年間どんなに時代が変わろうとも、もちろん悩んだこともあったんだろうけど、それでも左右され
ずに歌いつづけてきたんだなあ。そしてこれからも姿勢を変えずに歌いつづけていくんだろうなあ」という印
象を持たせてくれた、なんだか熱いものが込み上げてくる映像と歌でありました。そしてエンディングは「15.
HELLO ROCK & ROLL CITY」「16.MARIA」。音楽っていうものは人の心の喜怒哀楽を含んでるけど、結局
は”楽しいもの”なんだということを、このビデオで教えてもらった気がします。ホントに楽しい映像作品です。
   
1. 夏の終り
2. モダンガール
3. 悲しみは雪のように
4. ラストショー
5. こんな気持ちのまま
6. 少年の心
7. MAINSTREET
8. BASEBALL KID'S ROCK
9. 今夜こそ
10. サイドシートの影
11. 境界線上のアリア
12. 傷だらけの欲望
13. J.BOY
14. とらわれの貧しい心で
15. HELLO ROCK & ROLL CITY
16. MARIA(Instrumental)
   
   
   

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