EXTRA ALBUM
「ROAD OUT "TRACKS"」
1996年2月29日
 バラエティに富んだ映像集『ROAD OUT ”MOVIE”』のサントラ盤として発表されたコンピレーション・
アルバム。だがかといって”MOVIE”の音楽がそのまま収録されているわけではなく、あくまでサントラ
というスタイルをとりつつも、”MOVIE”には未収録の楽曲や、映像の中でラジオから流れてきた洋楽
のカバー曲が収められている。『ON THE ROAD ”FILMS”』のオープニングを飾った「1.A PLACE IN
THE SUN」はこちらではポップスアレンジで収録されているが、個人的にはあの映像通りのバラード
スタイルで聴いてみたい気もする。オリジナルをリアレンジした「2.夏の終り」「3.今夜こそ」は絶品。楽
曲が現代風に生まれ変わるってことには賛否両論がある場合があるけど、決して昔の雰囲気を消す
ことなく表情豊かに生まれ変わってる。「4.ベイブリッジ・セレナーデ」は未収録のライブ版。地元民とし
てはうれしい一曲(笑)。ステージ上に雪が降っているシーンが印象的だった「5.悲しみは雪のように」
は聴いてるだけであの映像が瞼に浮かんでくる。「6.ラストショー」「7.少年の心」は同じ車ものだが、「
ラストショー」は青春のはかなさを疾走感によって表現され、「少年の心」は友達の女の子に対して恋
に踏みきれない男心が静かに歌われている。未収録のライブ版「8.いつかもうすぐ」はメチャクチャ心
に染みこんでくる一曲。青い目の若い兵隊と5月にカリフォルニアに行っちまったあの娘は今も元気に
してるんだろうか?(笑)「9.IN THE STILL〜」は”MOVIE”の各所に散りばめられた、ラジオから流れ
てくる洋楽のカバーを一曲としてまとめたもの。でも見事なまでに浜田色になっている。「10.MAINSTR
-EET」で歌われている「走ることのほかにこの街何ができる」という一節がすごく好きなんですよね。
少年の心がどこかへ向かおうとしてるその瞬間を切り取った名曲。そしてライブでの定番曲である「11.
J.BOY」。中期以降の浜田省吾の核を担っている一曲。雰囲気あるコーラスワークで歌われるバラード
「12.最後のキス」は壮大な一曲。温かみのあるアコースティック・サウンドで歌われた「13.サイドシー
トの影」は哀愁漂う男心がこちらにまで伝わってくる。盛りあがってる街中に入ると、なぜか失った悲し
みがさらに増大してくるという感情はすごくわかるなあ。ラストを飾るのはアイルランド民謡のようなアレ
ンジが施された「14.我が心のマリア」。女性歌手・オリガが担当したシングル盤もよかったが、浜田さん
の声で歌われたこのアレンジも素晴らしい。中盤の間奏で夜空を見上げると思わず涙が出てきそうに
なる(笑)。以上全14曲収録だが、惜しむらくはあの名曲「とらわれの貧しい心で」が収録されなかった
こと。あの曲をサントラであるこのアルバムでも聴きたかったなあ。
   
1. A PLACE IN THE SUN
2. 夏の終り
3. 今夜こそ
4. ベイ・ブリッジ・セレナーデ
5. 悲しみは雪のように
6. ラストショー
7. 少年の心
8. いつかもうすぐ
9. IN THE STILL OF THE NIGHT〜MAYBE
10. MAINSTREET
11. J.BOY
12. 最後のキス
13. サイドシートの影
14. 我が心のマリア
   
   
   
   
   

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