22thアルバム
「LOVE OR NOTHING」

1994年10月21日発売

 大ヒットシングル「1.君と空のあいだに」を含む22枚目のオリジナルアルバム。しかし「1.君と〜」はオーケストラ・アレンジ
となっており、シングルとは違った雄大さを感じる。「2.もう桟橋に灯りは点らない」は大切な想い出の場所が消えてゆく時
の回想録。それは懐かしくもあり、切なくもあるなあ・・・。「3.バラ色の未来」・・・未来というとかなり希望的観測的なイメージ
がわくけど、この歌の未来とは・・・。「バラ色の未来」とは一体いつのことをさすのだろうか・・・。一転、「4.ひまわり ”SUN-
WORD”」はスケールのでかいロックバラード。そう、花は人間と違い、どんな状況下でも「咲く」という行為をし続ける。人間
も見習うところがあるんじゃないかな?「5.アンテナの街」はヒジョーに考えさせられる歌。家柄や血縁など、愛し合う二人に
とって人間社会のそれはまさに厄介なもの。「釣り合いが取れてない」だあ?そんなの誰が決めたんだ!・・・て感じを受け
た。「6.てんびん秤」はある女性から見たある男性像。「純情と人情は彼女のため 色情と薄情はあたしのため」・・・昔なが
らの彼女の十八番(笑)。「7.流星」・・・彼女の初期の曲「トラックにのせて」を思い出してしまう曲。でもこの歌にはトラックの
おっちゃんのセリフがあるね(笑)。あるサービスエリアの状況を歌った歌だけど、なぜか惹かれてしまう曲。「8.夢だったん
だね」・・・「夢」って確かに自分の都合のいいことばかり。でも現実にぶち当たると、それはやっぱり「夢」だったんだと実感
してしまう悲しさがある。でもこの曲、明るく歌われているところに逆にさみしさを感じてしまうんだよなあ。「9.風にならない
か」はそのボーカルで包み込まれてしまうほどやさしく語りかけてくるような歌。「二者択一」にはいつも心の葛藤がまといつ
く。「究極の選択」というやつだ。このような思いは誰しもが経験するものなのだろうな。「10.YOU NEVER NEED ME」・・・この
曲も彼女の「この世に二人だけ」という曲を思い出してしまった。「何をすれば必要だと思ってくれるの」・・・切ない女性の想
いに胸を突き刺される。「11.眠らないで」は夢の中にいるようなメロディー。「眠らないで 眠らないで〜」・・・眠たくなってしま
うな(笑)。最後に余韻を残す一曲。全体的に見ると、以前よりスケール、そして歌われる内容の幅が広がった気がする。

 

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