セルフカバー・アルバム
「EDGE OF THE KNIFE」
1991年9月1日
 彼がインタビューで言っていたとおり「上質の青春映画」を見ているような(聴いている
ような、か)気がしてしまうセルフカバーアルバムです。10代後半から20代にかけての恋
模様が展開されているバラード3部作完結編。とはいってもバラードだけで構成されてい
るわけではなく、学生時代の人気者同士のカップルの栄枯盛衰(笑)を題材にした「2.想
い出のファイヤー・ストーム」、君のオヤジの車を盗み出して海まで走ったのも、今では
は君との最後の思い出になってしまったなあ・・・の(笑)「9.ラストショー」など、比較的速
い曲が加わる事によって、いっそうコンセプトアルバムとしての完成度を増している。恋
の経験のアニキ分的な視点で歌われた(笑)「3.恋に落ちたら」、浪人時代の予備校での
ホロ苦い恋の経験譚「5.19のままさ」、恋と愛の間のかけひきに揺れ動く青年の心情を
綴った「6.愛のかけひき」、レコードシングルのB面のみで今まで陽の目を見なかった、学
園闘争時代の悲しき恋物語「7.キャンパスの冬」など、通して聴くと時代は違えど学生時
代を思い出しジーンとこみあげてくるものがあります。彼の作品の中で、もっとも悲しみ
が胸に突き刺さっているともいえる「8.途切れた愛の物語」がこんなアレンジになるとは
驚きました。さらに最後を飾る学生時代の光と影を歌った大傑作巨編「10.遠くへ」は10
分にも及ぶ大曲ですが、聴くだけであっという間に時が過ぎ去ってしまう気がするほどの
めりこんでしまえる作品。3部作の中で一番彼を身近に感じられる一枚ですね。
1 SWEET LITTLE DARLIN'
2 想い出のファイヤー・ストーム
3 恋に落ちたら
4 EDGE OF THE KNIFE
5 19のままさ
6 キャンパスの冬
7 愛のかけひき
8 途切れた愛の物語
9 ラストショー
10 遠くへ
   
   
   

浜田省吾ページトップへ