7thアルバム
「愛の世代の前に」
1981年9月21日
 初の武道館ライブに向け、たった2週間という製作期間で作られたアルバム。とはいえ、この盤の
完成度はヒジョーに高い。タイトル曲「1.愛の世代の前に」は”誰もが勝つと信じて賭けを続ける”現
代社会を歌うヘビーな楽曲。もちろん勝者がいれば敗者がいるわけなんだけど・・・。「3.愛という名
のもとに」は、夜が明けたら離れていかなくてはならない恋人たちを歌ったバラード曲。大人たちに
教えられた”正義””希望”・・・でもそこには本当に正義や希望があるのか?という疑問を高校生の
視点に立って歌ったハイスクールジェイル(?)な「4.独立記念日」、決して陽のあたる場所には出
られない「不倫」を題材にしたラブバラード曲「5.陽のあたる場所」は大絶賛してしまうぐらい浜田省
吾の作品の持つもどかしさを表現してると思います。生き残ることっていうのは、まさに闘いなんだ
な、と気づかされたポップチューン「6.土曜の夜と日曜の朝」を経て、彼の代表曲である「7.ラストシ
ョー」へ。若いふたりの別れを描いたこのハイスクロールストーリーは、聴く者の耳に「さ〜よなら〜」
と冒頭から繰り返されるこのフレーズを染みこます(笑)。クリスマスを愛しい人と過ごしているんだ
けど、どことなくさみしさを感じてしまう男の心情を描いた「8.センチメンタルクリスマス」はクリスマス
ソングと言うにはあまりにも淋しい曲だ(笑)。後年アレンジを変えて発表され大ヒットした「9.悲しみ
は雪のように」はとても詩的な世界。この曲の影響でこのアルバムは一気にミリオンセールスを記
録する。街中には笑顔が絶えないけれど、みんな誰にも見られないように涙を隠しているんだって
いうメッセージにうならされました。そしてラストの「10.防波堤の上」は最後にやるせなさを残します。
こんなにつらい思いをして生きるのなら風よこの海に突き落としてほしい・・・そんな男の心の陰を
彼らしいメロディーと詞で表現した問題作。オリジナルアルバムって、安穏とした曲で終わるのが常
だけど、ここで簡単には終わらせない浜田省吾のアルバムの構成も彼の魅力のひとつであろう。
1 愛の世代の前に
2 モダンガール
3 愛という名のもとに
4 独立記念日
5 陽のあたる場所
6 土曜の夜と日曜の朝
7 ラストショー
8 センチメンタルクリスマス
9 悲しみは雪のように
10 防波堤の上
   
   
   

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