タイアップが増え徐々に世間に認知されるようになってきた彼女の4thアルバム。のっけから |
シングルA面3曲をいきなりもってくるところに、なぜか彼女の潔さを感じてしまいます(笑)。「4. |
最後の羅針盤」は昨日までに起こったことは終わってしまったこと、今日これから先にどんなこ |
とが起ころうと最終的な羅針盤は自分なんだよと歌われた楽曲。「5.君まではあともう少し」は季 |
節が来ればまた君に会えるんじゃないかな・・・そんな少年の想いがこめられたポップな楽曲。 |
でも君には決してたどり着けないような気がする。だから余計にこのタイトルが悲しく響いてきま |
すね。「7.月の傷」は自分の本当の姿がわからなくなった少年が主人公。誰かを傷つけながら |
自分を正当化してるけど、いったいそれが自分の本当の言葉なのだろうか?そんな答えに悩 |
む宿題を抱えてしまった少年の行く末は・・・。「8. 0号」は目に見えない何かに心を縛られた少 |
年の思いを綴った曲。自分の想いとは裏腹な方向にしか進めない嘆きが彼女の透き通ったボ |
ーカルによって痛いほど伝わってきます。「9.一等星」は”わけのない悲しみはなくて
拾いきれ |
ない幸せがあるというだけ”というフレーズが印象的な一編。人が人を傷つける。でもその人を |
救うのもまた、人なんですよね。「11.水に恋する」は、形なく流れてゆく水を見て自分自身の中 |
にぼんやりとしかなかった「生きたい」という意志を見出してゆく少年の心を歌った楽曲。柔軟 |
に生きてゆく・・・それが一番簡単なようでいて難しい気もしますね。「12.ひみつ」は胸の中に広 |
がる恋を徐々に自覚してゆく女性の心情を歌った曲。この盤のテーマは「弱き心」のような気が |
します。前アルバムがかなり前向きだった分、今作は人の心の中に視点が向かってる感じが |
します。重たいテーマばかり並んでるのに、なぜか安心してしまう(笑)聴きごたえのある一枚。 |