セルフカバー・アルバム
「WASTED TEARS」
1989年9月1日
 最高傑作のバラードアルバムの登場です。前セレクションアルバム『SAND CASTLE』
が20代の若者のラブソングを集めたものだったのに対し、この作品では30代の恋物語
が集められているため、前作に比べ落ち着いたというか、非常にトーンの重い作品群
なのですが、そこがまたいいんですよね。もう若くない二人の恋の行く末を歌いあげた
「1.LONELY」、あてもなく自分の居場所を探し続け放浪する男心を描いた「2.SILENCE」
薄暗い部屋での密会と情事を描いたミディアムロックチューン「3.BREATHLESS LOVE」
次の朝には離ればなれにならなくてはいけない恋人たちを歌った「4.悲しい夜」、昔別れ
た彼女を実は今でも想い続けていると気づいた主人公の胸のうちを綴った「5.ロマンス
ブルー」、なくしたものがあまりにも多過ぎて、今の自分の心情を把握しきれない男のや
るせなさを描いた「6.MIDNIGHT FLIGHT」、忘れようとすればするほど忘れられない愛す
る人との想い出に苦しむ女性の悲しい思いを綴った「7.傷心」、自分の友人を好きな女
の子を好きになってしまった男の勇気ある告白曲「8.もうひとつの土曜日」、別れるのは
悲しいけれど、でももうやり直せないんだ・・・と腹をくくって最愛の人と別れるワンシーン
を切り取った「9.ラスト・ダンス」、そして自分が生きている価値を見出せぬまま、埠頭で
自問自答を繰り返す男を描いた「10.防波堤の上」でこのアルバムは終幕するわけです
が、この全編通しての重たい雰囲気がまたいいんですよ。この暗さ、というか重たさこそ
浜田省吾の真骨頂だと思います。ミリオンセラーもうなづける名盤ですね。
1 LONELY 〜愛という約束事〜
2 SILENCE
3 BREATHLESS LOVE
4 悲しい夜
5 ロマンスブルー
6 MIDNIGHT FLIGHT −ひとりぼっちのクリスマスイブ−
7 傷心
8 もうひとつの土曜日
9 ラスト・ダンス
10 防波堤の上
   
   
   

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