3rd アルバム
風の中の行進

06.9.21

 
1. それぞれ
2. 一期一会
3. 風の記憶
4. 明け方の操縦士
5. 戦いの矛盾
6. 囃子唄
7. 流星
8. 天命
9. ノラ猫みたいに
10.顕微鏡
11.しんきろう
 
 
 
 
 
 このタイトルが示すように、”ここから何かを始めて歩き出していこうよ”という11篇の楽曲たちを集めた彼女の
3rdアルバム。「1.それぞれ」は若者の大部分という群れを作るんじゃなくて、もうそろそろそれぞれの人にならな
くちゃ!っていう若者の決心を歌った楽曲。誰かと足並みや口裏を合わせていても、結局それは誰かの影法師
でしかないんだよね。「2.一期一会」は人はいつまでもその場でとどまっていられない。だから一期一会っていう
ものを大切にして、終わりゆくものから生まれゆくものへと変えていこうよっていう歌。「3.風の記憶」は人との出
会いや別れっていうのは表裏一体だってことを気づかせてくれる曲。出会いあれば必ず別れがあるんだよね。
悲しいことだけど。「4.明け方の操縦士」は”僕らが夢の操縦士にならなくては時は進まない”と歌われた曲。夜
更けに太陽を起こしてしまえるくらいの気持ちが必要なんだよね。シングル3曲を挟み演奏された「8.天命」はす
ごく考えさせられる楽曲。時っていうのは誰も愛してはくれないんだよね。愛することが素晴らしいって思うのは
人間が自分たちを奮い立たせるために作った取り決めのようなもので、地球も時間も人間がどうなろうとただそ
こで廻っているにすぎない。でもそれでも愛することは素晴らしいと信じたいよね。「9.ノラ猫みたいに」は自分で
引いた一線を越えてから初めて自分の望むものに進んでいくことができるんだ、と歌われたロックチューン。だ
けど時には”清濁”の”濁”も飲み込んでいかなくちゃ成長はないとも思うんですけどね。「10.顕微鏡」は「生きら
れる」っていう幸せにどれだけの人が気づいているのだろうか?というテーマを歌ったバラード曲。そうなんです
よね、手や足が満足に動くだけだってそれだけで幸せなはずなんだ。でも人はそんなことも忘れて「生きるのが
つらい」とか「苦しい」とか思ってしまう。これも人間のサガなのかもしれないけれど・・・。この盤は彼女にしては
前向きな(笑)作品が並んでいます。このメロディと歌声・・・ずっと歌い続けていってほしいと素直に思います。

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