オフコース 「STILL a long way to go」

-このアルバムを聴け!Vol.5-


 小田和正率いる「オフコース」のラストアルバム。彼らはこのアルバムを発表した後、東京ドーム
での公演を最後に解散した。
 
 初期の頃からオフコースを聴いてこられた方々にとって、このアルバムの楽曲たちには少しとま
どいを覚える方も少なくないはず。しかしボクがオフコースをオンタイムで聴いたのは、このアルバム
が最初だった。最初に出会ったアルバムが、彼らの最後のアルバムだったことに、残念無念な感想
を抱いたが、逆に「昔の音源を聴きまくる」という楽しみも与えてくれたのだった。
 
 とにかくこのアルバムには強い思い入れもあるし、傑作だと思っています。
 
オフコース
「STILL a long way to go」
(1988年6月1日発売・全11曲)
 
 ここで遅れせせながら(?)全曲紹介!
(曲目に下線が引いてある曲はアポロライブラリーで紹介しています。)
 
1. 君住む街へ
 非常に重たいテーマを優しいメロディに乗せて歌われて
いる。しかもボーカル三重奏。「たとえ死にたくなるほど辛
いことがあっても、君はひとりじゃない」と歌われている。
ラストアルバムの幕開けを飾るにふさわしい壮大な曲。
   
2. she's so wonderful
 小田和正作詞作曲の、ヒジョーに彼らしいポップなラブ
ソング。「不思議だね 君がいれば 何でもできる気がして
〜」・・・世界中で愛があふれていきそうなこの曲、とても
好きなのでございます。
   
3. I can't stand this
 八方美人というか、いつもまわりを男たちで囲まれている
女性って、いるようであんまり見たことない。ある意味「アイド
ルのおっかけ」というのが、それに近いかな。それはともかく
そんな女性を愛してしまった男の訣別を歌ったポップサウンド。
   
4. 陽射しの中で
 楽曲全体がまさに陽射しを浴びているような雰囲気を醸し
出している。もともとこのアルバム自体、かなりデジタルサウ
ンドが目立つのだけれど、この曲には特にそれが効果的と
なっている。聴くほど優しくなれる曲。
   
5. 夏の別れ
 まさに「夏の別れ」を描いた名曲。「眠れぬ夜」「秋の気配」
の流れを汲んだ小田流の「訣別ポップス(造語)」である。
「二人の人生が重なり合って でもここからは別々の夏〜」と
いうフレーズが、どうすることもできないこの愛の結末を示し
ている。
   
6. Still a long way to go

〜また会う日まで〜

 「生まれ来る子供たちのために」を彷彿とさせるバラード曲。
とにかくその世界は壮大で、まさにラストアルバムのタイトル
曲にふさわしいサウンド。この曲と、次の「多分 その哀しみは」
は、ボクの心の中で一生、生き続けていくであろう名曲である。
   
7. 多分 その哀しみは
 このアルバムを初めて聴いたのは高校1年の時。その時に
聴いた時点で、全曲の中でこの曲が一番印象に残った。「愛
にめぐり会いたいのなら すべてを失くすこと 恐れずに」・・・
そのフレーズがヒジョーに重くのしかかる。まさにポップスに
目覚めさせてくれた、ボクにとって歴史的な一曲。
   
8. 逢いたい
 吉田拓郎作詞・清水仁作曲の、オフコースらしくない(?)
野太い男のロックチューン。トラック6.7.8はこのアルバムが出
た当時のボクの寝る前のヘビーローテーション。思えば聴き
まくったなあ、このアルバム。
   
9. 悲しい愛を終わらせて
 哀しげなピアノではじまる、小田和正の王道ポップス。オフ
コースは解散しても、きっと彼はすぐにソロ活動に入るだろうな
と思ってしまったほど、この曲の完成度は高い。「別れの情景」
を歌わせたら、この人の右に出る人はそうはいない。
   
10.僕らしい夏
 このイントロのフレーズも忘れられない。彼女とめぐり逢えた
喜びを素直に歌っているラブソング。しかし全体的にどこかさび
しげな印象が残る曲。そこがこのバンドの魅力でもあったんだ
けどね。
   
11.昨日見た夢
 ラストにして代表作と思わされるような、小田和正作詞・作曲
によるラブソング。最初聴いた時、詞が「なんか大袈裟だなあ」
と思っていたが、聴いていくうちにそれが見事にハマってるのに
気づいた曲。アルバムを聴き終えたあとにも余韻を残す名曲。
   
 以上、ボクの数あるCDコレクションの中で、「2枚目」に買ったアルバムでした(ちなみに「1枚目」
はジョンレノン)。このアルバムに出会ってなかったら、今ほどオフコースが好きではなかったかもし
れない。それほどボクにとっては歴史的名盤だったのであります。聴くと今でもあの頃に戻ったよう
な感覚になるから不思議。まだの人はぜひ一度聴いてみてね。

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