前作が「魂」というものをテーマにした比較的重いアルバムだったためか、今作には少し明るく開けたイメージが |
あるんですよね。幕開けとなる「1.LAMU」はピアノを主体とした美しいインストゥルメンタル曲。「2.未来飛行」は混沌と |
していた目の前の風景が急に広がったような印象を受ける楽曲。大人になるにつれて美しいことを素直に美しいと |
言えなくなっていた自分への芽生えがそこに。「3.裸足の太陽」は独特なリズムを刻む楽曲。ここまで肯定的な曲は |
久しぶりな感じがして気持ちいい。「4.The Sun」は間違いを繰り返しながら、それでも人間は夜明けに向かって生き |
ていかなくちゃならないんだと歌う一曲。「5.君と僕の声で」はすべてのことは声を出して歌うことから始まるんだと歌 |
う美しいバラード曲。そのシリアスな旋律が美しい「6.Mr.Blue」はその名の通りブルーな気分を歌った一曲。見始め |
た少年の頃の夢はいったいどこへ・・・。「7.MOTHER OF LOVE」は名曲!「母性愛」っていうのは何も女性だけにで |
はなくて、男性にも必要なんだと思う。この曲を聴いてるとそんな想いが強くなってきます。「8.ROSARY」はある女性 |
に対して歌われているように思えますが、このアルバムを頭から聴いてくると「もしかして自分に対して歌っているん |
じゃ?という風に聴こえてくるから不思議。「9.月と海の贈り物」は、人間は自然に助けられて生きているのかもしれ |
ないなと素直に感じれる一曲。人間の悩みなんて、月や海の包容力に比べればちっぽけなものなのかもしれない。 |
「10.太陽の少年」は同窓会で学生時代に好きだった彼女に再会した男の淡い心を歌ったバラード曲。「11.永遠の |
果てに」は「泣きながら僕等が生まれるのは哀しみのせいじゃない」というフレーズが印象的なシングル曲。『太陽の |
少年』というこのアルバムのタイトルには、未来に向かって夢を走らせた時のことを思い出してもう一度がんばってみ |
ようよ、っていう意味がこめられている気がします。新たなスタートを切った彼の名盤と言える一枚です。 |