8th album

「フェイクファー」

98.3.25

1. エトランゼ     5. 仲良し     9. 謝々!
2. センチメンタル     6. 楓     10.ウィリー
3. 冷たい頬     7. スーパーノヴァ     11.スカーレット
4. 運命の人     8. ただ春を待つ     12.フェイクファー
 
 日本の音楽シーンで独特の個性を完全に確立した彼らの8枚目のオリジナルアルバム。アカペラのように始まるオープニ
ング「1.エトランゼ」から、ヘビーなうねりを感じさせる「2.センチメンタル」へとつづく。でもこの曲、ヘビーなわりに柔らかいの
はやはり草野さんのボーカルのせいでしょうね。「3.冷たい頬」はメロディーがとっても優しい。「冷たい」とは現実と幻想の挟
間を表現してるんだろうか?「4.運命の人」はすごくイメージ的に広がりを感じる楽曲。まるで水平線の彼方まで広がってゆく
ようなサウンド、大好きです。「5.仲良し」は軽快なサウンドで綴られてるけど、どこか切なげな印象を持つ一曲。「雨上がりの
切れ間から 差し込む陽の光たち街を洗う♪」って表現に感動♪「6.楓」はスピッツのバラードの中でも屈指の名曲。恋人と
別れてしまった男の複雑な気持ちを歌った胸を打つ一曲です。一転「7.スーパーノヴァ」はハードロック路線!でもなぜか歌
詞にはフォークっぽさがところどころに垣間見える(笑)。「8.ただ春を待つ」は不思議な浮遊感を感じる曲。「9.謝々!」は多
分生きている上での悲しみを、いつ終るのだろう?と考えるのではなく、終わりが無いと受け入れてしまえばけっこう前に進
めるよってことを歌ってるんじゃないかと思います。女性コーラスがすごくこの曲を引き立ててますね!「10.ウィリー」はサル
のように本能のままに生きてやれ!って歌ってる(ような(笑))。「11.スカーレット」は何度聴いても変わらぬ暖かさを感じる
曲。まさにシングルジャケットのように「暖かい赤」が似合う一曲です。ラストのタイトル曲「12.フェイクファー」は愛しい人の唇
からこぼれる言葉のすべてがたとえウソであってもそれでいい、というすごく言葉にしにくい心情を詩的にとらえたこれまた名
曲。『フェイクファー』・・・たとえニセモノの毛皮でも、触れていれば暖かい・・・そんな印象を感じるアルバムですね。名盤!

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