シティーボーイ(←死語?(笑))のような彼の肖像が印象的な3rdアルバム。ですがこの |
アルバム、かなり好きです。幕開けとなるシングル曲「1.涙あふれて」は別れを告げ消えて |
ゆく彼女の後ろ姿をいつまでも見つめ続ける男の空虚な心を歌ったダウンな曲。彼の代 |
表曲、というより代名詞でもある「3.片想い」は、いくら手を伸ばしても届かない恋ならば、い |
っそ早くさよならと言ってしまえばよかった、という、やはり届かぬ恋に対する悲しみをどこ |
までも突きつめた作品。ひと夏の間に出会いと別れを経た男女の心のかけひきを描いた |
「4.恋人たちの舗道」は、いつまでもサビ部分が頭の中でリフレインされます。初恋の人に |
想いを馳せながら自分の若かりし頃を思い返すカントリー・ミュージック「5.汐風の日々」は |
ノスタルジックな感情を呼び起こしてくれる曲。夢をしたためながら苦難を抱える青年像を |
描いた短篇「6. 25番目の夢」、貧しい生活の中で愛すべき人に何もしてあげられず、でも |
本当に貧しかったのは彼女の心をわかろうとしない自分自身の心だったと気づく青年の姿 |
を歌った「8.散歩道」、そして自分が今進んでいる道が本当に進むべき道なのか?という |
疑問に苛まれながらも、それでも前に進んでいくしかないんだという決心をした彼自身の不 |
安と苦悩を歌った「10.MIDNIGHT BLUE
TRAIN」へと達します。ジャケットの夜のホテルの一 |
室にたたずむ彼が思い描いていたのは、この10編の栄光と挫折の繰り返しだったのかも。 |