6thアルバム
「HOME BOUND」
1980年10月21日
 これまでに発表してきたアルバムに比べ、全体に勢い、というかロックが感じられるアルバム。
浜田省吾はラストに主題曲をもってくる傾向があるが、このアルバムにもタイトル曲「10.家路」
最後に収められている。7分弱のこの曲はファンの間では有名な曲ではあるが、一般的にはあ
まり陽の目を見ていない。が、まぎれもなく名曲。走り続けてゆくしかない人生の岐路を歌った、
まさに彼のテーマ曲であるかのようです。自身も真のデビューアルバムと自負しているこのアル
バムのスタート曲「1.終りなき疾走」は、音楽と出会い走り始めた時の衝動をそのまま歌にしたよ
うなロックチューン。無機質に出会いと別れを繰り返す都会を歌った「2.東京」、夢を求めた少女
の光と影を綴ったバラード曲「3.丘の上の愛」、浜田省吾らしからぬ(いや、これが本質なのかも
(笑))くだけた印象の「4.あばずれセブンティーン」だけど、やはりこの主人公の少女の悲しみも
きちんと描かれている。別れた彼のことをいつまでも忘れられない女性の悲しみを綴った「5.傷
心」、悲しみを忘れるかのようにネオンライトの中で踊り続ける女性を救い出そうとする青年像
を歌った「6.今夜こそ」(←しかし踊る女の子を見ている男っていうシチュエーションが多いな、彼
の歌には(笑))、10代の少年の苦悩と旅立ちを歌った「7.反抗期」、いつかこの貧しい生活を抜
け出そうとしていた若者を歌った「8.ガラスの部屋」・・・実際は貧しさの中にこそ温もりはあった
のだけれど・・・。何度倒されてもまた立ち向かおうぜ!と若者たちを鼓舞する「9.明日なき世代」
と、まさにこれがデビューアルバムだと言わんばかりのみずみずしい歌たちがバランスよく並ん
でいます。「君が人生の時・・・」と悟った前作から、ずいぶん若返ったなあ、浜田さん?(笑)。
1 終りなき疾走
2 東京
3 丘の上の愛
4 あばずれセブンティーン
5 傷心
6 今夜こそ
7 反抗期
8 ガラスの部屋
9 明日なき世代
10 家路
   
   
   
   

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