「走り出せたら
悲しみや今すぐ忘れたいことがあったから今があるってきづこう」っていうフレーズが印象的なバラ |
ード曲「1.太陽」から始まる14thアルバム。この曲は静かながらも今確実に前へ足を踏み出している主人公の姿が心 |
に染み入ってきます。そしてその姿は「2.My Life」にも引き継がれます。こみあげてくるやりきれなさを口にせず、夢 |
だけを信じてゆく・・・それが自分の生きる道なのだからと生きてきた主人公にやはり感極まってしまいます。とにかく |
メロディーが優しくてどことなく力強さも感じます。「3.名もなき星」は夜空の星を見上げながら、彼女のことを想えば想 |
うほど遠くに感じてしまう男の悲しみが綴られています。一転「4.夢の番人」は「夢」と聞いてバカにしてるような人でも、 |
実はたまにひとりでその「夢」の入った箱を開けて見てるはずだと歌うポップチューン。続く「5.僕が僕だけの救世主」 |
を聞くと、確かにこのタイトル通りだと思ってしまいます。これからの生き方を操作できるのは、どう転んだって自分自 |
身しかいないのだから。「6.四葉のクローバー」は「捨てたものは見つからない 失くしたものならば見つかる」という一 |
節が印象的なナンバー。「7.狼(ウルフ)」はこの曲の持つ静寂の雰囲気の中に確かな力強さを感じる歌。曲を彩る篠 |
笛がさらなる雰囲気を引き出しています。徳永英明的ラップというか、そんな躍動感を感じる「8.conversation」はもっ |
と自分に語りかけてみればこの”自分”という武器でどんな苦しみや夢にも対抗できるよ、と歌われた曲。「9.愛はどこ |
にある」は徳永さんらしいメロディーにグッときてしまうナンバー。何度も過ちを犯す僕をなぜ君は許してくれるのだろ |
う?という想いと、そんな君を抱きしめたら君の瞳のキラキラが僕に落ちてきたという実感・・・それは初めて「愛」のあ |
る場所をつきとめた瞬間なのかもしれない。「10.龍の戦士」は過去や未来のことを考えれば後悔や不安は尽きない。 |
ならば今この瞬間を前を向いて切り開いていこうと歌われたバラード曲。たったひとりの敵・・・それは自分自身なのだ |
から。以上10曲収録のこのアルバム、やはり彼のメロディーメーカーとしての素晴らしさと、常に不安を抱えてる自分 |
を投影した歌詞にうなずかされてしまう、珠玉の一枚です。う〜む、何度聴いても聴きごたえのあるアルバムだ。 |