ギターを片手にこちらに攻撃的な視線を傾ける浜田省吾・・・攻撃的というのはあくまでボクの |
中でのイメージです。実際サングラスだから視線なんてわかりゃしないんですけどね(笑)。彼の |
作品の中ではかなりメッセージ色の強い作品に仕上がっています。時代で分けるとすると、第 |
3期のスタートとなるアルバムじゃないかな。「1.BLOOD LINE」は、父親のわからない少年が父 |
に思いをはせるショッキングな歌。何度も聴いているうちにこの主人公はこの国自身なのでは |
?と思えてきます。「2.RISING SUN」は、敗戦から立ち直った(ように見える)この国が、これか |
ら一体どこへ向かうのだろう、という内容のミディアムチューン。このギター旋律は彼の作品の |
中でも随一だと思います。「3.DARKNESS IN THE
HEART」はこのアルバムの主題曲。父がこ |
の世を去り、自分はどこへ向かおうとしてるのか・・・誰もが直面する親愛なる人の死をテーマ |
にした傑作。サックスフォンが骨の髄まで染みてきます。シングル「7.BREATHLESS LOVE」は |
誰にもわからない暗闇で愛し合う男女の歌、「8.NEW YEAR'S EVE」は別れた女房と再会した雰 |
囲気あふれるバラード、「9.RIVER OF TEARS」は今までいろんな人やものに対して借りを作って |
きた主人公が、少しずつでも返してゆきたいと自問自答するポップでありながら考えさせられる |
楽曲。そしてラスト「10.THEME OF〜」は自分の原点に立ち返り、もう一度自分自身を見つめ直 |
そうとする彼の姿勢が見て・・・いや聴いてとれる。最初に書いた彼の攻撃的に感じる視線・・・ |
それは自分自身という逃げ場のない存在に対して、目を背けず対決して行こうという彼の決心 |
の表れなのかもしれない。決して軽く聞き流せるアルバムではありませんが、それも彼の魅力 |
なんです。どうしてもスタート3曲のイメージが強すぎて頭でっかちな盤って印象ありますが(笑)。 |