1stからこの3rdまでは「街」3部作と呼ばれている。確かに彼の初期の作品では「街」が
キーワードになってるような気がする。そして個人的にこのアルバムでは「赤」がテーマ
になってるような気もする。「1.夢の跡」はテンポのいいメロディーとは裏腹な悲しみを持
ってる。「僕のこと忘れはしないから」・・・それは悲しい夢の跡だった・・・。「2.ゆうこ」
恋のできない女性に恋した男の告白歌。今までとは違うニュータイプの歌である。「3.陽
炎」は語りかけてくるような歌声でやさしさを感じるバラード。一枚の写真を見ながら別れ
た彼女への想いが綴られてる。「4.下宿部屋」はちょっと騒がしいけどホロ苦い青春偶
像。確かに消息不明な友達って今どうしてるんだろう・・・。「5.明日あればこそ」はたとえ
今はつらくても明日というページを開けば幸せはきっとある、という物静かな歌。「6.離愁」
は別れてゆく恋人たちを歌った・・・考えてみればこのアルバムには「かなわぬ恋」が多い
なあ(笑)。「7.90ページの日記帳」は彼との恋はもう終わってしまったのに、相変わらず
友達の誘いを断ってる自分を、彼から切り離せない女性を歌った悲しい歌。「8.斜塔」
唯一のポップチューンと呼べるかも。しかし都会のやるせなさを暗示してもいる。「9.帰郷」
は恋に破れて帰郷する女性の心のうちを、「10.夕焼けの町」は故郷への郷愁を歌って
る。さらに考えてみればアルバムタイトル通りまさに全編のテーマは「夢の跡」であった!
3rdアルバム 
「夢の跡」

1982.4.21

 
 
1. 夢の跡
2. ゆうこ
3. 陽炎
4. 下宿部屋
5. 明日あればこそ 「ナナカマドの挽歌」を読んで
6. 離愁
7. 90ページの日記帳
8. 斜塔
9. 帰郷
10.夕焼けの町
 
 

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