村下さんらしからぬデジタル音のイントロが印象的な「1.寒椿」から始まる8thアルバム。でも歌は
確かに彼独特の切なさを残してるからひと安心(笑)。「2.愛情」もロック色の強い一曲。「愛情がす
べて」なんだと胸を張って言いたい。が、実際は・・・。歌には出てこないが不思議な翳りを感じる曲。
「3.ネコ」はいつしか何処かへ消えてしまった、可愛がっていたネコを想う一曲。アポロさんの涙腺を
またも緩ませてくれる曲だが(笑)、この「ネコ」を「彼女」に置き換えてみると・・・。「4.弟」も「ネコ」同
様、今ではどこにいるのかわからなくなってしまった、付き合っていた年下の男の子を想う女性の切
なさを綴った曲。「5.かず君へ」は一転静かなピアノ演奏から始まるまたも壮大で悲しげな楽曲。「6.
風のたより」は今では別の誰かと結婚してしまった彼女から手紙がテーマ。明るい曲調の中にもち
ょっとした哀しみを感じる。「7.交差点」はお互い別の生活を持っているにもかかわらず愛しあってし
まったふたりを描いた楽曲。後年発表される楽曲「いいなずけ」に似てるシチュエーションだ。「8.西
陽のあたる部屋」は彼独特の「貧しさの中の幸せ」ってところにスポットをあてた切ない歌。なんとも
言いようのない余韻をリスナーに残す。「9.大地」はオリエンタルなサウンドで綴られたまさに「中国」
を歌ったバラード。そしてラスト「10.恋文 -上海から-」「大地」に引き続き大陸音楽の美しくも悲
しいバラード。考えてみると、このアルバムはバラードアルバムという印象が多いなあ。自分の気持
ちを愛するものへと綴る楽曲がとくに多いのです。あ〜!だからタイトルが「恋文」なのかあ(笑)。
 
 
8thアルバム 
「恋文」

1988.10.21

 
 
1. 寒椿
2. 愛情
3. ネコ
4. 弟
5. かず君ヘ
6. 風のたより
7. 交差点
8. 西陽のあたる部屋
9. 大地
10.恋文 -上海から-
 
 
 
 

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