19thアルバム
「歌でしか言えない」

1991年10月23日発売

1. C.Q   7. 笑ってよエンジェル
2. おだやかな時代   8. た・わ・わ
3. トーキョー迷子   9. サッポロSNOWY
4. Maybe   10.南三条
5. 渚へ   11.炎と水
6. 永久欠番    
   
 このアルバムでは一曲一曲が5分を越す大曲で、その分アレンジ的にも壮大さを感じる。「1.C.Q」はとても孤独感
を感じるバラード曲。そうまるで世界中に自分ひとりが取り残されたような・・・。「C.Q C.Q・・・」。「2.おだやかな時代
はニュース番組のテーマソングになった、やさしいメロディーが心に残る一曲。「3.トーキョー迷子」はシングル曲だ
がかなり好き。歌謡曲っぽいポップなアレンジだが、人の心の移ろいやすさをテーマにしてる。「4.Maybe」=「ブレン
ビー」(ハンディカメラのCM曲)という等式が成り立つ(成り立つのか?(笑)。二部構成のメロディーが組曲を思わせ
る。夢を見れば傷つくこともあるけど、夢を見ずにいられない・・・人生の宿命みたいなものを感じる。「5.渚へ」はミデ
ィアム・ロックチューン。「あいつを恨みたくない」と思う女性の思わず渚へと向かってしまう衝動。何かあると海を見
に行っていた学生時代を思い出すなあ。このアルバムの中核をなす「6.永久欠番」は、人は死んでもこの世界には
永久にその人の生きた証が残るという想いを感じる、壮大なバラード曲。なぜか宇宙を感じる。「7.笑ってよエンジェ
ル」「8.た・わ・わ」は彼女の十八番である「酔いどれ歌唱((C)アポロ(笑))」による楽曲。「9.サッポロSNOWY」はしっ
とりとしたバラードで、愛する人が好きになってくれるまで、あの街には帰れない女性の切なさがよく出てる。離れた
街で、あの街の天気予報がなぜか気になってしまうという表現、詩人だなあ。そしてアルバムのハイライト「10.南三
条」は軽快なサウンドに乗って繰り広げられる愛憎劇。主人公から恋人を奪った女性と再会した時、自分から奪っ
た男性と一緒になっていると思っていたのに、その女性はその男とはすぐに別れて別の男性とつきあっていた。「あ
なたなんか来なければ、今も私たち続いてたのに・・・。」は主人公の本音だろう。やるせないなあ。そして「11.炎と水
は男と女の関係を炎と水に例えている。私はあなたを一番傷つける者、でも一番癒せるのも私・・・ムズカシー(笑)。
とにかくこのアルバムにはその物語の「壮大さ」が随所に盛り込まれている大作である。歌詞本も厚いし(笑)。

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