28thアルバム
「短篇集」

2000年11月15日発売

1. 地上の星   7. 過ぎゆく夏
2. 帰省   8. 結婚
3. 夢の通り道を僕は歩いている   9. 粉雪は忘れ薬
4. 後悔   10.Tell Me, Sister
5. MERRY-GO-ROUND   11.ヘッドライト・テールライト
6. 天使の階段    
 
 また「なんて素直なネーミングなんだろう」と思ってしまったこのアルバムタイトル。そのせいかまさに珠玉の短篇が各所
にちりばめられている。「1.地上の星」は「夜空の星を眺めているけど、実は自分の立っているこの大地も星なんだよなあ
」と気づかせてくれる壮大なシングル曲。「2.帰省」はかつての名曲「ホームにて」を彷彿とさせるが、実はこちらの曲は簡
単に言うと「都会での汚れを洗浄するのは盆と正月に田舎に帰ることだ」と歌っているんではなかろうか。そして「3.夢の通
り道を〜」。夢への途中での主人公の苦悩や悲しみを歌ってる。やりたいことに向かって突き進むということは、逆にいえ
ばそれだけ何かを犠牲にしてるのではないか?と考えてしまった一曲。「4.後悔」は切ないバラード曲。「あの時告白してい
れば、もしかして今頃・・・」そんなことはマレに・・・いやしょっちゅうあった(泣)。そんな想いを綴った絶唱歌。「5.MERRY〜
は恋愛の追いかけっこ。自分の好きなあの人は、別の誰かを追いかけてる情景を悲しく、そして明るく歌った楽曲。いつ
までも縮まらない彼との距離を「メリーゴーランド」に例えるとはさすがである。「6.天使の階段」はこのアルバムで一番印象
に残った曲。まるで大聖堂にいるようなこの空間。詞は幻想的なんだけど、4分の曲ながら不思議な余韻を残す歌。「7.過
ぎゆく夏」はこのアルバムで一番にスピードを感じるロックチューン。このサビになぜか吉田拓郎を感じる(笑)。「8.結婚」
子供が「決闘」を「結婚」と間違えて言うところから物語が展開。このふたつのキーワードが実はイコールだったりして・・・。
い、いやあそんなことないっすよ(笑)。雪を見てると、悲しいことを忘れさせてくれるというのはわかる気がする「9.粉雪は
忘れ薬」「10.Tell Me, Sister」は誰からも愛されている、自分にないものをすべて兼ね備えた彼女を見て、自分を嫌いに
なってゆく自分を歌った楽曲。これは女性に限ったことではなく、男性にもあると思うんだよね。モテモテくんを見てると、自
分なんて・・・なあんて思ったもんなあ(笑)。そしてラストは「人生なんて旅を続けているようなもの」と思わせてくれる「11.ヘ
ッドライト・テールライト」でこの盤は幕を閉じる。楽曲それぞれに個性があって、バラエティーに富んでると思う一枚です。

 

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