21thアルバム

「時代 -Time goes around-」

1993年10月21日発売

1. 時代 7. 流浪(さすらい)の詩
2. 風の姿 8. 雨月の使者
3. ローリング 9. 慟哭
4. あどけない話 10.孤独の肖像 1st
5. 夢見る勇気(ちから) 11.かもめの歌
6. あたし時々おもうの  
   
 今までの提供楽曲、セルフカバー、そして未発表曲を集めたセレクション的要素が強いアルバム。「1.時代」の冒頭部分は彼女
が世界歌謡祭に出場した時のもので、坂本九とジュディ・オングのアナウンスが聞ける。シングルに比べ、今の声で歌われている
この歌にはヒジョーに柔らかさを感じる。「2.風の姿」は中江有里への提供曲。聴いているだけで夜の冷たい風に吹きつけられて
いるような感じがする。「ホントの自分」って他人が決めるのではなくて、自分自身が決めるものかも・・・。「3.ローリング」はアルバ
「中島みゆき」に収められていた楽曲のカバー。とても力強さを感じる中にさびしさも同居してる。「4.あどけない話」は彼女が原
案・構成・音楽を手がけた演劇「ラブ・ミー・テンダー」の劇中歌。「おとぎばなしはみんなずるい どこにも日付が書いてない」・・本
当にあどけない話だ(笑)。まるで夢の中にいるような優しいメロディーが響く。「5.夢見る勇気」は大御所・雪村いづみに提供され
たロックチューン。この曲好きですね。「追われだすと逃げるのは男の正体」・・・す、スルドイ(笑)。男は常に追い続ける生き物な
のだ(大多数は(笑))。「6.あたし時々おもうの」は彼女の幻のデビュー曲(彼女が出場したコンテストの入賞曲)だがここでほぼ初
めて顔を見せたことになる。「命」と「若さ」という壮大なテーマを歌った、収録時間も8分に及ぶ大曲。「7.流浪の詩」はアルバム
みんな去ってしまった」に収められていたが、本バージョンはスピードをグッと抑えて、詞を聴かせるような趣が感じられる。演奏も
カントリー調でにぎやか、ボーカルも「らしい」よね。「8.雨月の使者」は曲だけが中島みゆき作(詞・唐十郎)という珍しいパターン。
NHKドラマの主題歌で独特の世界を感じるなあ。「9.慟哭」は工藤静香に提供した、作詞・中島みゆき/作曲・後藤次利のおなじみ
のコンビによる楽曲だが、工藤のバージョンとは180度違う感じ。まさに「荒れ狂う中島みゆき」がそこにいる(笑)。「ひと晩中泣い
て泣いて泣いて・・・」というフレーズを取ってもまるで違うところが逆に魅力を感じるな。「10.孤独の肖像 1st」はアルバム「Miss M.」
に収められている楽曲のセルフカバーだが、この曲も原曲とはまるで違うバラード調・・・というよりこっちがご本家(笑)。この手の
楽曲はどっちかが良くてどっちかが悪いと思ってしまいがちなボクだが、この曲に限っては両方好き。でも本当にお互いが同じ曲
だとは思えない。最後は「11.かもめの歌」はフランスのシンガー、パトリシア・カースに提供した楽曲。メロディーだけ見れば、昔の
中島みゆきのメロディーラインを感じる嬉しい曲。名曲「この空を飛べたら」をなぜか連想してしまう不思議な曲なのです。

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