3rd アルバム
 前2作以上に強いロック性とメッセージ色を感じる1枚。ジャケット全編がモノクロに統一されてるところ
に彼の固い意志が感じられるな。「1.RED or BLACK」は毎日自分を殺して働いている人生がルーレッ
トにたとえて歌われたロックチューン。表題曲「2.Rolling DOWN HOME」は喜びや楽しさ、怒りや哀しみ
を自分に与えてきた街に対して歌われた曲。何気なく退屈しのぎにつけたTVから流れてくる遠いの国の
戦争シーン・・・「3.TVの向こうで」は同じ空の下でかたや生きる事に退屈し、かたや生きる事にすべてを
かけている人々に想いをはせる曲。恋が終わってしまう悲しみを歌った「4.朝が降る夜が来る」、そして
切なくて今まで避けてきた、かつて好きだった人の思い出が詰まってるバラード曲「5.いつか夏の日に」
「6.瞳の中へ」はある意味一方的に(笑)好きな人への想いを綴った曲。「恋は盲目」に似た響きを感じ
てしまいますが、彼が歌うとすごく爽やかに感じてしまうから不思議。「7.ふたり雨の日」は誰にも言えな
い恋をしてしまったふたりの切ない恋物語。いつのまにか自分の描いていた未来像からかけはなれて
いる自分を自嘲気味に歌った「8.いつもの様に僕は」から「9.木村君の悲劇」へ。コミカルに歌われては
いますが、実は大勢の中にいると自分の意見すら持たず流されてしまうこの国の国民性の是非を問う
問題作だと思います。「10.Letter」は卒業から10年経った今でも忘れられない、教師からの”人生を諦
めた大人の言葉”を綴ってる。教師って人生の歩き方を教える人間のはずなのに、なぜそんなことを言
うんだ?って悲しみが伝わってきます。「11.たった一人の俺」の「どう思われるかじゃなく 俺がどうする
かってことさ」というフレーズが忘れられません。この歌の歌詞まるごと全部を肝に命じたい!そう思え
る渾身の一曲。「12.君がいるから」からはギター一本で全国を渡り歩く彼の意気込みが伝わってきます。
全曲中もっとも爽やか(笑)。曲のバラエティーに富み、笑ったり泣いたり考えさせられたりする1枚です。
Rolling DOWN HOME
1995年2月22日
 
 
1. RED or BLACK
2. Rolling DOWN HOME
3. TVの向こうで
4. 朝が降る夜が来る
5. いつか夏の日に
6. 瞳の中へ
7. ふたり雨の日
8. いつもの様に僕は
9. 木村君の悲劇
10.Letter
11.たった一人の俺
12.君がいるから
 
 
 

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