14thアルバム
「その永遠の一秒に」
the moment of the moment
1993年9月6日
 前作から3年ぶりに発表された14枚目のオリジナルアルバム。サングラスを外した彼が湖
畔にたたずむ姿が印象的な幻想的なジャケットですね。「1.境界線上のアリア」は今まで会社
のために働いてきたのに切り捨てられた男の人生がアッパーなサウンドで描かれ、つづく「2.
傷だらけの欲望」はシングルにしてもよかったんじゃないかというほどの魅力を放っている。
が、決して大衆的ではなく、暗闇の中で愛し合う恋人たちを歌った大人のにおいのする曲(笑
)。「4.悲しみ深すぎて」は2ndアルバム収録曲のセルフカバー。「5.ベイブリッジ・セレナーデ」
は、横浜ベイブリッジの上で車を止めてひとり思いにふける男の心情が綴られている。ちなみ
にあまり長く停車してると警察に注意されるので要注意!(←この文いらん(笑))「6.こんな気
持ちのまま」は、若い恋人たちのデートを終えて別れる時の離れがたい気持ちが、気持ちい
いぐらいのポップなサウンドで綴られています。「7.星の指輪」はもう若くない夫婦が自分たち
の若い頃を思い出して、子供たちをお袋に預けて街へと繰り出す様子を描いた傑作ラブソン
グ。でもなかなか現実的ではない気もする歌(笑)。が、若い頃このふたりは苦労してきたん
だろうなあ、「君の微笑」「散歩道」に登場した恋人たちのその後のような気もするなあ、と
感慨深くなってしまいます。「8.裸の王達」は地球の破壊環境に対する重いメッセージソング。
なんだけど詞の内容は響くがメロディーが響いてこないボクにとっては困った曲(笑)。そして
ラスト「9.初秋」は戦場に向かうために愛する人を置いていく男たちの映像を目にした男の、
愛する人をおいてゆく悲しみ、そして送り出さなければならない悲しみと固い絆が染み込んで
いる作品。名曲とはこういう曲のためにある言葉だと素直に思える曲です。ただ3年待ったん
だから、せめてあと一曲聴きたかったなあと、これまた素直に思ってしまった一枚ですね。
1 境界線上のアリア
2 傷だらけの欲望
3 最後のキス
4 悲しみ深すぎて
5 ベイ・ブリッジ・セレナーデ
6 こんな気持ちのまま
7 星の指輪
8 裸の王達
9 初秋
   
   
   
   
   

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