3rdアルバム

「あ・り・が・と・う」

1977年6月25日発売

 演奏を含めて全体的にもドラマティックさを増した3枚目。以前のフォークっぽさを残しながらも、どこか
ニューミュージックさを醸し出してる。「1.遍路」はやさしいメロディーにのって繰り広げられる男性遍歴の
告白歌。内容は悲しいが、メロディーラインがいい!「2.店の名はライフ」は繰り返されるこのフレーズに
よってその世界に引きずり込まれる。行きつけの店ってボクも欲しいなあ(笑)。「3.まつりばやし」はフォ
ーク色の強い一曲。父親の死を歌っているらしいが、惹きつけられる曲。「4.女なんてものに」はとにかく
このドラマティックなイントロとサビが大好きである。女性に偏見の目を向けるような男を悲しんだ歌。「5.
朝焼け」はムードあるテンポにのせてジェラシーを燃やす女性の心情を歌った曲。「6.ホームにて」は語
り継がれる名曲。故郷から出てきた人の、胸に染み入るように歌われるこの歌にとても優しさを感じる。
でも笑っては帰れない主人公の孤独な悲しみも含んでいるんだ・・・。自分勝手な彼と別れた後、彼女は
その勝手さをも愛していたことに気づく「7.勝手にしやがれ」をはさみ、「8.サーチライト」はアルバム中最も
激しさを感じる曲。「天気予報は明日も夜です」・・・名フレーズ!最後を締める「9.時は流れて」。「時間」
というものは人を変える力を持っている。愛していた彼を忘れられず、彼よりもいい男とつきあってきた
つもりが、結局は彼を求めていたことに気づいた女性の切ない心情・・・。あんなに逢いたかった彼に今
は自分の変わってしまった姿を見られたくないために偶然があるとしても逢わないように祈っている・・・
悲しい。この作品は全編に渡って「悲しさ」に満ちているアルバムだけど、彼女の魅力が詰まった名盤。

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