福山雅治 「BOOTS」

-このアルバムを聴け!Vol.9-


 今やチャートの常連となっている福山雅治ですが、最近の曲ははっきり言ってボクの肌には合わないです。
本人してみれば今が絶頂期なのかも知れませんが、ボクの中では彼はこのアルバムが絶頂期だったと思って
います。多感な学生時代に聴いていたというのもあるんですけどね。どことなく浜田省吾や尾崎豊、佐野元春
などのアメリカンロック系のメロディーや、アコースティックな味わいを持ったこのアルバムが今でも一番好きな
のです。
 
福山雅治「BOOTS」
1992年11月21日発売・全10曲
 
 このアルバムでは何といっても彼が注目を集めたシングル「9.Good Night」の存在が大きいのですが、
それ以外の楽曲も、全て彼自身が作詞・作曲し、グレードがアップした印象がとても強い珠玉のアルバムです。
 
それでは全曲紹介!
(曲目に下線が引いてある曲はアポロライブラリーで紹介しています。)
 
1. スタート
 まさにアルバムのスタートらしいビートを刻む軽快なロック
チューン。胸の中身を何もかもカラッポにして旅に出れたら
どんなにいいことだろう。今聴くともっと学生時代にいろんな
経験しとけばよかったな、と思ってしまう元気な歌(笑)。
   
2. Girl
 一転どちらかというとポップな曲調のこの曲は、自分の彼女
がいつからか自分とは違う方向を見つめ、誰か他に好きな人
がいるんじゃないか・・・という思いにかられる男心を歌った曲。
聴けば聴くほど名曲である。身に染みるほど(笑)。
   
3. 約束の丘
 ミディアムテンポで展開される重厚なロックバラード。イントロ
のピアノが印象的なこの曲は、夢を抱きしめたひとりの若者が
その夢を掴む、つまり約束の丘にたどりつこうとする物語。
浜田省吾の路線を踏襲する正統派ロックチューン。
   
4. Cool
 アルバム中最も妖しげなサウンドだが、ボクがこのアルバム
の中で唯一戸惑ってしまった楽曲。やっぱりボクはまずメロディ
ありきの人なんだなあ。この曲になるとすぐ早送りしてたから
なあ(す、すいませんっ(笑))。
   
5. ふたつの鼓動
 壮大なストリングスが織り成す美しいバラード曲。まだ付き合
いが浅い彼女と海を見に来た男は、ゆっくりと自分の胸の中に
彼女があふれてゆくのを実感する。この情景描写もさることなが
ら、このメロディーがボクの心を掴んだのでした。
   
6. HARD RAIN
 アップテンポなギターフレーズに乗って奏でられるポップチュ
ーン。夢を目指していた自分はいつしか守ることを覚えてしまっ
ていた。そんな自分を雨よ突き刺してくれ!という曲。「初心に
帰る」って大事なことなんだけど、ムズカシイ事なんだよなあ。
   
7. 恋
 「恋」って光にもなるけど闇にもなる・・・この曲は彼女のうでの
中で「恋」を自覚してゆく、幸せな曲なんだけど、この切ないメロ
ディーがどこか不安さを残すが、この不安さ、切なさがまた「恋
する」ということがとてもすばらしいことの証明だと思います。
   
8. Hold on Me
 夜明けと共に終わる自分の生活と、それと同時に世間は動き
出すこのギャップ。学生時代はよくこんな体験したんだけど、何
か独特な雰囲気がしました。もうそんなことは体験できないけど
その時の朝の陽射しの心地よさは忘れられません・・・。
   
9. Good Night
 この曲を聴くと無性に学生時代の思い出がよみがえってくる。
この曲はデートの帰り道のワンシーンを切り取った名曲だけど、
もっと彼女のことを知りたいと思い、もっと自分のことを知っても
らいたいと思う・・・うーんみずみずしい(笑)。
   
10.みつめていたい
 アコーステックギター一本で奏でられる前半と、ダイナミックで
壮大に盛りあがる後半のコントラストがすばらしい名曲。恋人達
はそれぞれの夢のために、夜が明けたら別々の道へ進まなけ
ればならない、そのまさに前夜を歌った曲。感動しました、ボク。
   
 決して今現在の福山雅治の楽曲もキライではないんだけれども、やっぱりこのアルバムにはこだわりを感じ
てしまうんだなあ。そしてやっぱり20歳前後に聴いた曲って、けっこう印象に残るものなのだなあ、と思った
アポロなのでした・・・。(01/06/27)
 

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