1st album

『分岐点』

1994年5月20日
 
1. 分岐点
2. 北風に吹かれて
3. 月
4. 吐いたツバ
5. 無明
6. この街の二人
7. 工場跡の空地
8. どうしようもないこと
9. 心弱き君へ・・・
 
 主演映画『ラストソング』で主題歌を作り、歌ったことを期に発表されたデビュー盤。そこには彼が
自分と街のギャップに戸惑っている姿を、克明に刻み込んだ歌たちがいます。「1.分岐点」は文字通
り人生の上での”分岐点”を選ばなくては先には行けない・・・と歌った重厚なロックバラード。一転
2.北風に吹かれて」は足取りの軽いメロディーに乗せて、生きることの難しさを歌ってる。みんな何か
しらの目標を持って生きてる。だけどそれとは裏腹にそのために特別な何かをしようとはできないで
いる。う〜む深い!(笑)「3.月」は先行シングル。夜に車をぶっ飛ばして、自分の想いを月に向かっ
て叫んでいる。「4.吐いたツバ」は最もスピード感あふれるシャウト!やっぱりここでも生きることの難
しさを叫んでる。「5.無明」はダイナミックなアレンジで迫り、今までの自分の想いとは違った現状にな
ってしまっている自分を悔いている。だけどそれでもあきらめずに生きようとしているところが救いだ
なあ。「6.この街の二人」はやっと登場ラブソング(笑)。だけど冷たい街で生きてゆけるだけの力を持
たないと、君と暮らすことは出来ない・・・何とも現実的!(笑)でも本心でもあるとも思うなあ。メロディ
ーの優しいところがとても好きな一編です。「7.工場跡の空地」は16の頃、仲間たちと過ごした工場跡
で、久しぶりに会った仲間たちとのやりとりが描かれてる。「中卒のお前が今一番輝いてる」っていう
表現がとても好きだし、優しさを感じるな。「8.どうしようもないこと」は”生きてゆくってことは、かけがえ
のないものを失いながら過ごしてゆくこと”をアコースティックに歌ってる。暗いかもしれないけど、それ
は真実でもあるんだよな〜。ラストの「9.心弱き君へ・・・」はそれぞれの心のうちをぶつけ合いながら
前に進んでいく恋人たちを歌っている。ダークな歌が避けられる昨今のミュージックシーンだけど、そ
れは誰もが突きつけられたくない現実から目を背けているからなのかもしれない。だからこそ自分の
言葉とメロディーで歌おうと思ったんじゃないか。そんな印象を持った彼のデビューアルバムでしたね。

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