6thアルバム「HEAVY GAUGE」

1983年6月21日
1. Don't Cry My Love   6. いかさまだらけのルーレット
2. わがまま気まま流れるまま   7. -100゜Cの冷たい街
3. おいで僕のそばに   8. 僕だけのメリークリスマス
4. 冷たい外国人   9. 午前0時の向こう側
5. すべてほんとだよ!!   10.僕のギターにはいつもHeavy Gauge
 一見、収録曲だけを見るとかなり地味な印象を受けるアルバムですが、随所に隠れた名曲が散りばめられた名盤で

す。女の視点から歌ったラブソング「1.Don't Cry My Love」は、いつも彼とは同じ方向に向けない彼女の悲しみが伝わ

ってくるバラード曲。タイトルがその悲しみをよく表していますね。若くてさわやかな「2.わがまま気まま流れるまま」は、そ

の若さがゆえに離れていってしまった愛を歌った悲しいけどなぜかさわやかさを感じてしまう曲。一転静かなラブバラー
「3.おいで僕のそばに」は彼の優しさに包み込まれるような曲。この感覚は彼ならではかも。今でもサビ部分がいただ
けないと思い続けている(笑)「4.冷たい外国人」ですがでも内容はとてもシリアスなもの。彼の初期の作品で戦争を扱っ
たのはこの曲だけじゃないかな。「5.すべてほんとだよ ! !」は密かにささやきかけるように歌われたラブソング。男は愛
する人の前では子供に返ると言いますが、まさにそれを体現したような曲です(笑)。軽快なロックチューン「6.いかさま
だらけのルーレット」はどうせ地獄に落ちるなら笑いながら真っ逆さまに落ちていってやるぜ!と歌われた、若いな〜と

思わせる楽曲(笑)。「7.−100゜Cの冷たい街」はTVドラマ「家族ゲーム」の挿入歌にも使われた作品。まあ実際には「マ

イナス100℃の街」なんてあるわけないですが、それぐらいの凍える寒さを街は人の心に与えているっていう比喩表現で
す。そんな街だけど、僕らの愛でこの街の温度をあげていこうよっていう彼のメッセージが伝わってきますね。「8.僕だけ
のメリークリスマス」は母子家庭の少年の幼い心をささやかに歌った名曲。ママがクリスマスに連れてきた男の人が今度
自分の新しいパパになるかもしれない・・・うれしいんだけど寂しさを感じる少年のこの表情は彼だからこそ出せるものだ
と思うな。「9.午前0時の向こう側」は真夜中に男が抱いた心情を歌った楽曲。明日にはある別れをしなければならない。
だから夜明けよ、来ないでほしい・・・そんな叶わぬ願いがとても染みてきます。そして最後を飾る「10.僕のギターにはい
つもHeavy Gauge」は、30歳になろうとしている彼の当時の心境と、彼を取り巻く環境をそのまま歌にしたフォーク色あふ
れる名曲。この曲のラストの消えていく彼のコーラスと、街の中のざわめきが、聴く者に大きな余韻を残します。

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