2ndアルバム「逆流」

1979年11月5日
1. 風は南から         6. あんたとあたいは数え唄
2. 友への手紙   7. ひざまくら      
3. 順子   8. 祈り         
4. 素顔   9. 酔待草
5. 男は女が必要さ   10.逆流
 このアルバムには、彼の名を全国に知らしめることになる大ヒット曲「3.順子」が収められていますが、ボクにとっての
このアルバムのターニングポイントは何と言っても「4.素顔」なのです。この作品はある意味”演歌の世界”に近いのか
しれません。互いが互いに同じぐらいの想いを抱いているはずなのに、お互いのちょっとした仕草がお互いの心を傷つ
けあってしまうという、彼はどうして当時の若い年齢でこんなすばらしい作品を書けてしまうんだろう?という感動さえ抱
いてしまった名曲中の名曲。まさにこれは芸術作品だ(←言い過ぎじゃないと思います(笑))。あ、だからといってもち
ろん「4.順子」も好きです。「4.素顔」のように男女の心情を両側からも書ければ、「3.順子」のようにナイーブで繊細な男
心を歌ったと思ったら、「6.あんたとあたいは数え唄」のように、どうしようもない男に惚れてしまった女のどうにもできない
心情も歌う・・・いったい何人の人格が彼の中にはいるのでしょう(笑)。1stアルバムのタイトルをそのまま冠せた「1.風は
南から」は”この僕の想いよ、君の街まで飛んでいけ”・・・その想いはプロミュージシャンとしての彼の覚悟を歌にしてい
るようでもある、さわやかなんだけど切ない作品。東京に出てきた青年がふと学生時代を思い返す「2.友への手紙」は心
細さと同時にこの街でやっていくという決意を歌ってる。「5.男は女が必要さ」は彼のデビュー前のエピソードが綴られた
軽快な作品。男と女の出会いと別れが描かれていて、なんともいえぬ甘酸っぱさを感じる隠れた名曲。「7.ひざまくら」
ファンの間ではライブでのこの曲の方が好まれてる気がします(笑)。”落ち着ける場所は〜お前の〜肉まくら(笑)”です
よね。そしてタイトル曲である「10.逆流」。反骨精神って特に若い時には大事なんですよね。あまり歳がいってからだと逆
に”わがまま”ととらえられかねないから難しいんですけどね(笑)。彼はよっぽど悔しい想いをしたんだろうなあ。でもそれ
を糧にして前に進んで行こうとしている彼の姿勢には共感するし、見習いたいとさえ思えます。たとえ誰かにバカにされよ
うと僕は僕を失うために生きてきたんじゃない・・・この想いって一生持っていなきゃいけない大切なものだと思います。

長渕剛トップページへ