| レコードジャケットの彼の格好は、いったい何のスポーツがやりたいのかわからなくてい |
| ただけないが(笑)、2ndアルバムながら収録されている曲たちの完成度は高い。ボクの中 |
| ではかなり高い位置にあるアルバムです。「君が欲しい〜今すぐおくれ〜♪」と、現代では |
| まず出てこない台詞だろうけど(笑)そこがまた愛おしくなってしまう「1.雨の日のささやき」、 |
| 今までよりももう一歩先に進もうとする恋人たちを描いた「3.君に会うまでは」はすごく青春 |
| を感じるバラード曲。大学で出会った彼女との出会いから別れまでを痛切に、でも感情豊か |
| に描いた傑作「4.愛のかけひき」は彼の作品ならではの切なさが織り込まれています。二度 |
| 目のデートで恋に落ちた彼女と暮らし始め、そこで紆余曲折の末にわかりあえない男女の |
| 悲哀とやるせなさを描いた「5.君の微笑」、君との最後に僕と踊ってくれないか?・・・もう二人 |
| の仲を修復できない恋人たちの別れのシーンを描いた「7.ラスト・ダンス」にもまた、どん底に |
| 突き落とされてしまいます。このアルバムは最後まで悲しみが続きます。ホームで彼女の最 |
| 後の姿を見送る男の視点で描かれた「10.行かないで」は、どうすることもできない別れの悲 |
| しさ、そして取り戻すことのできない喪失感が襲ってくる超名曲。しかもコーラスワークなしで |
| は成り立たないこの構成。ホントに2作目か?(笑)彼自身初期のアルバムは演奏が稚拙と |
| 揶揄していますが、このたどたどしい演奏が逆にこの10編に登場する主人公たちの心情を |
| うまく引き出している気がするんです。アナログでしか出せない感情がここにはあります。 |