インディーズ・アルバム
「直太朗」

2001年3月7日発売

 
 黒いスタジャンで横を向く彼が印象的なジャケットに彩られたインディーズで発表されたミニアルバム。「1.ソフィー」
彼女は知らない言葉で唄を唄い、そして僕は罪を洗い流すためにそばで穴を掘る・・・というシチュエーションがなんとも
不思議な歌。だけどなんとなく意味がわかるような気がするからまた不思議(笑)。「2.時の行方」は、後年『春の空』とド
ッキングして”爽健美茶”のCMソングになる運命だとは、このときは思いもしなかっただろうな(笑)。この主人公の想い
はつらく切ない。できるならあなたに今すぐ流れ着きたい・・・そんな思いが散りばめられています。「3.あの街が見える丘
で」は限られたメロディーの中にいくつ言葉をつめられるか選手権のような(←どんなだ(笑))そんな造りの楽曲なれど、
それが曲調にメリハリをつけてる気がするな。どうせ土に還るんだと腹をくくった時、人間は2種類なんだよな。前へ行こ
うとする人とその場にとどまろうとする人。前者でいたいですねえ。「4.ポロシャツ」は街の雑踏の中で聞こえてくるものを
そのまま歌にしたような曲。彼のボーカルの幅広さを思い知ることになるとともに、”狛犬みたいなおばさんや栓抜きみた
いなおじさん”ってフレーズに思わず笑っちゃうけど、確かにいるいる(笑)。みんなくだらないジョークを飛ばしながらも、
実は裏では泣いているんだ。そうやってみんな生きてるんだよな。「5.高校3年生」は、好きな娘と放課後の教室で二人
きりになったあの情景が忘れられない・・・っていう青年の回想録。気がつけば僕は君の背中ばかり見ていた。でも自分
の気持ちはついに言い出せないままだったな。そしてもうすぐさよならの季節・・・。「6.少年」は、まさに今の少年たちの
心を歌ってる気がするな。TVゲームで誰かを殺しても、どこかの国にミサイルが飛んでも、僕には関係ないことで。だけ
ど僕にだけは温もりがほしい・・・そして、少年はもし自分が死んでも、母さんがそっと優しく抱きしめてくれたら痛みは感
じないよ、と歌う。飽きれかえるほどモノがあふれるこの世の中で最も不足している”親子愛”を歌った名曲です。

森山直太朗 TOPページへ