18thアルバム
「夜を往け」

1990年6月13日発売

1. 夜を往け   6. 君の昔を
2. ふたつの炎   7. 遠雷
3. 3分後に捨ててもいい   8. ふたりは
4. あした   9. 北の国の習い
5. 新曾根崎心中   10.with
 
 全編まさに「夜」をイメージさせる楽曲がズラリと並ぶ。それはジャケットやアルバムタイトルのせいかもしれな
いが。久しぶりの10曲収録でなんか得した気分(笑)。1曲目からロックするアルバムタイトル曲「1.夜を往け」
登場。何かに揺り動かされて、走り続けていないと不安になる衝動をこの曲には感じる。一転しっとりバラード
「2.ふたつの炎」。このような超スローな楽曲は前作から見られる傾向。「3. 3分後に捨ててもいい」・・・え!との
思ってしまうタイトル。こんなタイトルをつけてしまうなんて彼女らしい。かなりはかない詞だけど、このメロディー
好きなんだよなあ。そして名曲「4.あした」。昔TVCMで女の子が空港で彼との別れに泣きじゃくってるのを今でも
覚えてる。曲の内容は決して「別れた」歌じゃないんだけど、どことなく悲しげなんだよなあ。「5.新曾根崎心中」
はこのイントロのギターフレーズが印象的。「ただ愛のもくず」と言い切ってしまうとこがスゴイ(笑)。「6.昔の君を
は嫉妬の歌。愛する人と出会い、それが初めての愛であれば言うことないけど、たいていの場合はいろいろな
遍歴を重ねて二人は出会う。昔の相手と比べられているとしたら・・・やっぱ複雑だなあ。「7.遠雷」は、おそらく
この二人は許されざる関係を持っているのだろう。なんともやるせないその情念が伝わってくる。そしてこのアル
バムのポイントであると思う「8.ふたりは」は劇的な歌曲であり、この曲を聴いて思わず「エレーン」を思い出して
しまった。街中から後ろ指をさされ続けるふたりの物語・・・。「9.北の国の習い」は「離婚の数では日本一だって
さ〜」とドキッとするような詞ではじまる、北海道出身の彼女ならではの歌だと思うな。そしてこのアルバムの夜
明けとも言える「10.with」の登場。この旅立ちを思わせる曲は、ボクの中でも忘れられない一曲となっています。

 

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