12thアルバム
「御色なおし」

1985年4月17日発売

1. ひとりぽっちで踊らせて   6. カム・フラージュ
2. すずめ   7. 煙草
3. 最愛   8. 美貌の都
4. さよならの鐘   9. かもめはかもめ
5. 海と宝石    
   
 アルバム「おかえりなさい」に続くセルフカバー・アルバム第2弾。前作はしっとりとした印象の楽曲が多かった
が、このアルバムでは比較的ロックやポップな楽曲が多く含まれている。研ナオコに提供した「1.ひとりぽっちで
踊らせて」は男に裏切られた女性のはかない感情をきらびやかに表現している。元ピンクレディーのケイちゃん
(じ、時代を感じる(笑))に提供した「2.すずめ」は愛する人は彼女の元へ・・・、残された女性は彼を追いかけて
いきたいと・・・。悲しい詩だなあ。でも曲調は好き。「3.最愛」は柏原芳江へのポップス。相手の女性と共に船出
をする彼を彼女は港から見送る。強がっていてもやはり彼を愛している彼女の心情が強烈に伝わってくる。「4.
さよならの鐘」はグラシェラ・スサーナへの曲。かなり重厚なロックアレンジのバラードだが、歌詞は切ない。「生
きる夢も 愛の意味も あなたがすべて〜」・・・言われてみたい言葉である(笑)。「5.海と宝石」は松坂慶子に贈
られたラブソング。独り言のように愛する人にささやきかけるように歌われている。「6.カム・フラージュ」は柏原芳
江へのパンチの効いたロックチューン。「わたしはあなたの偽物両思い〜」・・・衝撃的な歌詞(苦笑)。「7.煙草」
はワルツ調の楽曲で古手川祐子へ提供。煙草の煙をキーワードに彼とあの娘の関係を知っていながらも彼を想
っている女性の嘆きの歌である。「8.美貌の都」は郷ひろみへの提供曲。このアルバムでは唯一の男性歌手へ
の曲で、しかも作曲は筒美京平によるものでこういうパターンは珍しい。表側では常に明るさを強調しているこの
国も、裏側では涙、涙なのである。ラストを飾るは「9.かもめはかもめ」。研ナオコへの提供曲で、安らぎを感じる
ような壮大なバラード。このアルバムを総括すると、ほとんどの曲が失恋もしくは愛する人が別の女性の元に去っ
ていったという悲しいものとなっている。彼女の個性が十二分に表現されたオリジナルといっても過言ではない。

 

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