13thアルバム
「miss M.」

1985年11月7日発売

1. 極楽通りへいらっしゃい   6. 月の赤ん坊
2. あしたバーボンハウスで   7. 忘れてはいけない
3. 熱病   8. ショウ・タイム
4. それ以上言わないで   9. ノスタルジア
5. 孤独の肖像   10.肩に降る雨
   
 このアルバムは以前に比べ、とてもロック色・デジタル色の強い一枚となっている。演奏ひとつにしてもとても
ブルージーな印象を受ける(とはいえ、中島みゆき本来のテイストは充分生きている)。繁華街の裏通りの情景
を思わせる「1.極楽通りへいらっしゃい」「2.あしたバーボンハウスで」にはとてもブルースを感じ、ここら辺からも
う以前の彼女のイメージを大きく覆している。「3.熱病」はデジタルを駆使したロックチューン。かなり比喩表現を
多用した楽曲だが、ダイナミックさを感じる。「4.それ以上言わないで」は一転優しさを感じる静かなバラード。自
分を優しく包んでくれるあの人には別の娘が・・・。優しさの中に悲しさを感じる。「5.孤独の肖像」はシングル曲
で詞の通り海の底にいるようなイントロからはじまり、さびしいが力強さを感じる名曲。「6.月の赤ん坊」は不思
議なバラード曲。「怖いもの何もないと言えたら大人と呼ぼうね〜」・・・怖いものとは大人になるに連れて多くな
っていくとボクは思うんだけどね(勝手な持論(笑))。穏やかなメロディーとは裏腹に詞のインパクトはとても強
烈な「7.忘れてはいけない」を経て、本作のターニングポイントとなる「8.ショウ・タイム」へと続く。この曲は今まで
の中島みゆきにはなかった超ハードロックチューン。メッセージ性の強い歌詞にこの声。超試験的な楽曲であ
るが、聴き続けるうちにクセになってしまうから怖い(笑)。そしてブルージーなピアノのイントロが印象的なミディ
アムテンポの「9.ノスタルジア」。タイトルのイメージとは違い、やはり力強い楽曲となっている。このピアノのメロ
ディーラインがとても好き。最後を飾るのは湿っぽく歌われているバラード曲「10.肩に降る雨」。激しく演奏され
た楽曲の数々の後に、このような曲を聴くことによって、このアルバムの余韻を充分残す名曲なのです。

 

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