このアルバムを聴いて一番に思うことは、昨年発表された「短篇集」からのクウォリティーがそのまま維持されて |
いるということだ。大御所と呼ばれる地位にいても、常に最前線にいようとする彼女の姿勢には本当に感心させら |
れる。「1.囁く雨」は豪雨のSEとともに始まり、恋人と別れる寸前の今でも自分の想いが果たせない自分の哀しさ |
を歌ってる。「2.相席」はワルツ調で奏でられた、恋人たちが出会ってから別れるまでを描いた一編。客に見向き |
もしないマスターに何故か優しさを感じる。「3.樹高千丈 落葉帰根」は、人生を樹木にたとえた壮大なバラード。こ |
のメロディーも包み込んでくれるような壮大さも大好きである。「4.あのバスに」は人生の選択をどのバスに乗るの |
か、というのにたとえてる。果たしてボクの選んだバスは正しかったのか?「5.心守歌」はタイトル曲。すごく高い視 |
点から歌われているような気がする。遠く離れた恋しい人の幸せを願う歌。「6.六花」は雪がこの世のすべての汚 |
れたものを洗ってくれるような、そんな印象を受ける美しいバラード。「7.カーニヴァルだったね」はたった一言、テ |
ーマは「酒」(笑)。「8.ツンドラ・バード」は大自然を飛びまわるオジロワシをテーマにした一曲。それはいったい何 |
を意味しているのか?「9.夜行」は人々の誤解というか、人の抱くイメージの残酷さをテーマにしてるんだと思うん |
だけど、「ふところに入れた手は凶暴な武器を隠してるに違いないと見られる 本当は散りそうな野菊を隠してる」 |
の一節に心打たれた。こんな人たちが本当は社会を支えてるんじゃないかなあ。ヒジョーにロックな仕上がりで、 |
かつ心強ささえ感じる。一転「10.月迎え」。考えてみれば「月」って太陽と比べ、実にいろんなものにやさしさを浴び |
させてくれているような、そんな気がする。「11.LOVERS ONLY」はまさに大団円にふさわしいクリスマスソング。確 |
かにクリスマスってなぜか幸せのような感じがしてしまうんだよなあ。こりゃ魔力だよ、魔力!なんにしても、彼女の |
美しさは本当に変わらない。ジャケットを見るたびに彼女の美しさにうっとりしてしまうボクなのでした。 |