このアルバムから、彼女は編曲および共同プロデュースに瀬尾一三氏を迎える。彼は長渕剛やCHAGE |
&ASKA、徳永英明をはじめとする多くの邦楽アーティストのサウンドを決定してきたアレンジャーであり、 |
ボクの大好きなサウンドをたくさん生み出している人。そのためか、この盤からサウンドに重厚さが加わり、 |
すごく各曲にストーリー性を感じる。「1.野ウサギのように」は軽快なメロディに乗せた、気ままな女性の姿が |
・・・。「2.ふらふら」は好きな男の行きつけの飲み屋に出没する女性を歌った歌。まさに曲調もふらふら(笑)。 |
一転、「3.MEGAMI」は重厚なバラードで、壮大さを感じる。「4.気にしないで」は第3者的な立場から男を想う |
一風変わった状況。でも彼女は彼を・・・。「5.十二月」ではシリアスでドラマティックなメロディー。「自殺する |
若い女たちがこの月だけ急に増える〜」と物騒なスタートをみせるこの曲ですが、好きです。「6.たとえ世界 |
が空から落ちても」は、か細くて今にも途切れそうなボーカルで繰り広げられるバラード劇。「7.愛よりも」は |
このアルバム中最も好きな楽曲。詞的にはかなり悪ぶってはいるが、それは哀しみの裏返しというふうにと |
れる。エンディングのストリングスが荘厳な余韻を残す。「8.涙 -made in tears-」は前川清に提供した曲の |
リメイク版。「男運は悪くなかった〜」けど、別れてしまったんだなあ、二人は。ラストを飾る「9.吹雪」はここと |
は別世界のことを歌っているように聴こえるが、実はこの世の中の実情を歌っているのではなかろうか。そ |
して世界の行く末は決して明るいものではないのかも・・・そんな心象を最後に残す罪な盤なのです(笑)。 |