まずこのアルバムに驚かされるのがオープニングの「1.元気ですか」である。なにせこの曲、というよりこれ |
は「朗読」じゃあ(笑)!しかしクレジットには「編曲」とあるので、やっぱり曲なのだろう。しかしその世界はジ |
ェラシーと淋しさが一面に広がっている。そのアンサーソングともいうべき「2.怜子」は更にその世界の説得力 |
を強めている名曲。「3.わかれうた」は70年代の楽曲でチャート1位を飾った超名曲。しかしこの曲により彼女 |
の「わかれうたうたい」のイメージが広まってしまった、功罪ある曲。「4.海鳴り」はブ厚い印象のバラード。ボ |
ク的に1曲目から4曲目まではストーリー仕立てのような気がする。そしてブルージーなイントロが印象的な「5. |
化粧」は、恋人に裏切られた女の「男を見返してやりたい」という思いが伝わってくる。「6.ミルク32」「7.あほう |
鳥」は・・・しかしこのアルバムは本当にふられた女性の曲が多いなあ。そしてこのアルバムのハイライトはラ |
ストの2曲!「8.おまえの家」はプロギタリストに挫折した友人を訪ねるという設定。その場の雰囲気がヒジョー |
に伝わり、またアコギの音色が温かい。ラスト「9.世情」はドラマ「3年B組金八先生」でも有名な、超大作を思 |
わせる名曲。「シュプレヒコールの波」というフレーズが印象に残る。難しいことを歌ってるようだけど、実は誰 |
でも感じていることを比喩を巧みに使って表現してる。いつまでも心に残る歌とはこういう歌を言うのだろうな。 |