5年ぶりとなる14thオリジナルアルバム。しかしユニークなジャケットですねえ。翼を持つ獅子の像の口
から出てる水が、下で口を開けてるKANさんに注がれているという構図なのですが、この像が「小便小僧」
でなくて幸いでした(←誰もそんなこと思わんよ(笑))。このユニークさとは裏腹に始まる「1.世界でいちば
ん好きな人」は、世界では戦争が続き、この国もいつまでも平和であるとはかぎらないけど、日々のささや
かな幸せを感じて生きていこうと誓った名曲です。「2.キリギリス」は彼独特の言葉遊びを用いながら彼の
近況報告が聴ける楽曲(笑)。なんだか歌劇にも使えそうなアレンジですよね、詞以外は(笑)。「3.彼女は
きっとまた」は、自分から離れていった彼女との再会劇・・・っていうか、ただ遠くからのぞいてるだけなんだ
けど(笑)そこがまた彼らしい。「4.小さき花のテレジア」の美しいメロディとこのピアノの速弾きは彼の真骨
頂ですね。「秋、多摩川にて」「Autumn Song」に通ずるものを感じます。しかし彼は河川敷が好きですね
(笑)。「5.エンドレス」はある意味この盤のハイライト。互いにライバルと認め合うお腹の出てきたおじさん
たちの温泉二人旅を、なんと浜田省吾のパロディで綴ったロックチューン。御本人に公認された時はKAN
さん自身も恐縮されたんじゃないでしょうか(笑)。カラオケの個室で延々歌われる”浜省の名曲”そして”和
室でうなるいびき”はいつまでも響き渡るのだ(笑)。「6.おしえておくれ」は、彼のもうひとつの顔であるハジ
けソング。どうしてこうなっちゃたんだろ?っていう青年の嘆きが全編に散りばめられてます(笑)。タイトル
「7.遥かなる〜」は、たとえどんなにまわり道になろうとも、それが今を生きる意味になればそれでいいん
じゃない?ってメッセージを感じる曲。まわり道をしてきた人だからこそ言えるセリフだよね。「8.カレーライ
ス」は、ケンカした恋人同士の関係をカレーにたとえて歌ったラブソング。「一度さめて また温めて それで
いい」・・・ホントうまいよなあ、この人は。「9.RED FLAG」は道交法違反で捕まった男が「こんな国イヤだ」と
海外に飛び出し、帰ってきてまた捕まるという悲劇を歌にした彼自身の経験談・・・なんでしょうね(笑)。し
かし彼の車もよく捕まるね(笑)。「10.アイ・ラブ・ユー」は愛すべき人とこの地球上で出会えた喜びを綴った
ピアノ主体のバラード曲。5年経ってフランス留学から帰ってきても、やはり彼はいい意味で変わってはいな
かった。”遥かなるまわり道の向こうで”ささやかな幸せを感じることができたら・・・それでいいんだよね。
14thアルバム
「遥かなるまわり道の向こうで」
2006年8月30日
 
 
1. 世界でいちばん好きな人
2. キリギリス
3. 彼女はきっとまた
4. 小さき花のテレジア
5. エンドレス
6. おしえておくれ
7. 遥かなるまわり道の向こうで
8. カレーライス
9. RED FLAG(一般道路速度超過)
10.アイ・ラブ・ユー
 
 
 
 
 
 
 

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