7th アルバム
DUG OUT
1993年7月10日
 
 
1. 手紙       4. 雨上がり       7. キング・オブ・ルーキー       10.夕暮れ
  作詞/作曲 真島昌利         作詞/作曲 真島昌利         作詞/作曲 甲本ヒロト         作詞/作曲 甲本ヒロト
2. 緑のハッパ       5. 年をとろう       8. ムチとマント       11.パーティー
  作詞/作曲 甲本ヒロト         作詞/作曲 真島昌利         作詞/作曲 甲本ヒロト         作詞/作曲 甲本ヒロト
3. トーチソング       6. 夜の盗賊団       9. 宝もの       12.チャンス
  作詞/作曲 真島昌利         作詞/作曲 真島昌利         作詞/作曲 河口純之助         作詞/作曲 真島昌利
   
 6thアルバム『STICK OUT』から5ヵ月後に発表された本作は、前作と打って変わってスローでメロウな曲ばかりを集めた一枚。
なんだかまったく違うアーティストの作品を聴いてるみたいだ・・・っていうのが第一印象だったのを憶えています。やっぱり彼らの
メロウな曲って勢いのある作品群の中にあってこそなんだな、と逆に再確認できてしまった悲しい盤でもあります。さらにはメンバ
ーすべてがまるで違う方向に向いてる気がしてしまう切ない一枚でもあります。もうこの時点で「解散」の二文字は動き出していた
のかもしれませんね。とかなんとか書きながらけっこう好きな曲も多く含まれていたりもします(←いったいどっちなんだよ(笑))。
ストリングスを多用し、ボーカルにエフェクトを施した「1.手紙」、このメロディー好きだなあ。「薬」をテーマにしたかのようにも思える
マーチ「2.緑のハッパ」。確かに「ポ○チン」はでかいにこしたこたあない(笑)。届かない言葉たちが妙に悲しい「3.トーチソング」
まるで少年の頃の心象風景を綴ったような「4.雨上がり」。もうここには辛辣なリアリティーを歌ってた彼らの影はない。過ぎ去った
時間に夢まで連れ去られたとしても、それはもっと強い夢が見れるチャンスが訪れたってことなんだよと綴られた「5.年をとろう」
ブルージーな「6.夜の盗賊団」にはもう自分の心情ばかりを吐露していた少年時代のようにはいかないんだよっていう、大人とい
う境界線に一歩踏み込んだんだよってメッセージを感じます。未熟者ほど怖いものはないと思わせる「7.キング・オブ・ルーキー」
続く「8.ムチとマント」では1000人斬りのナンパ者が大活躍(笑)。なんだかすごくくだけた歌だな。明日へ続く道を歩いてゆきたい
とまっすぐに歌う「9.宝もの」を挟み名曲「10.夕暮れ」へ。「はっきりさせたい!」と歌ってきた彼らが「あやふやなまんまでいい」と
歌った、ある意味彼らの岐路をそのまま歌ってる気がする曲。本当に伝えたいことが埋め尽くされ、そのまま自分の中でも埋め尽
くされてゆく思いを綴った「11.パーティー」、そして世の中つらいことばっかりじゃなく、その中にまぎれてチャンスも降ってくることが
あるんだよ、と歌った「12.チャンス」で終幕。あれ?この歳(36)になった時点で聴いてみると、けっこういい盤だなあ、これ(笑)。

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