| アコースティック色を全面に打ち出した”Strange
Side”に比べ、バンドサウンド中心に録音された2枚組の2枚目。1枚目収録の |
| 「3.気にすることはないさ」「4.カーテン」「5.好きで生きていたい」「11.花売り」がアコースティックからバンドサウンドの曲に変貌を遂 |
| げています。「1.サラサラ」は、自分が望んでいるものほど、手の中をすり抜けてゆく砂のようにこぼれ落ちてしまう悲しみを歌った |
| 楽曲。確かに大切なものほど手に入れるのが難しいものだよね。「2.もの悲しい風」は、重厚なサウンドで彩られたロックバラード |
| 曲。いったいどこへ行けば、この”もの悲しい風”がやむのだろう・・・そんな主人公の嘆きがこちらまで伝わってくるような、そんな |
| 一曲なのです。お前とならその風丸ごと飲み込める・・・と今度こそはと思ってた・・・。「6.こんな大事な夜に」は恋人たちの別れの |
| 瞬間を歌った楽曲。雨が降りしきる中、ただぽつんと立ち尽くす男と女・・・情景がまぶたの裏に浮かんできそうな曲ですね。「7.記 |
| 憶の島」はイントロのどこか切迫したハーモニカが印象的なロックチューン。男が見たのは夢か幻か?なんか聴いてるだけでとて |
| つもない何かを失ってしまったかのような錯覚に陥ってしまいます。「8.お前だけ見られたら」は、文字通りお前だけ見て暮らせたら |
| それでいい。あとはすべて余計なものだ・・・と歌ったロックバラード曲。「9.What
Makes You So Blue」は、この俺のせっかちさがい |
| つもお前を遠ざけちまう・・・と悲しく歌われたブルース。「10.まっさかさま」は”何様のつもりだ 調子に乗んなよ 鏡にでも向かって |
| 勝手に生きてろ”とまくし立てるように歌われた楽曲。でも・・・これはもしかしたら彼自身に歌っているのかもしれない、そんな思い |
| を抱いてしまう曲。この2枚組のアルバムで初めて”SION”さんを知ったわけですが、この盤を貸してくれた学生時代の友人は、今 |
| どこで何をしてるんだろう?青森からひとりで東京に出てきていて、夜学の上に遠距離通学のボクは帰れなくなるとよく彼の家に泊 |
| めてもらってた。ホント、連絡をとろうにもとれないまま、もう10年が経ってしまいました。だからこの盤はホントにボクにとって思い |
| 入れが強いんですよねえ。曲の内容というよりか、この盤が彼とボクとをつないでくれたという意味でも忘れられない一枚です。 |