7thアルバム
「蛍」

1992年9月23日発売

1. 蛍   7. チェッ
2. AIN'T NOTHIN' I CAN DO   8. あっちへ行ってくれ
3. 当然のこと   9. ホラ吹き野郎
4. あと少し   10.早く帰ろう
5. お手あげだ   11.トタン屋根の小屋に住む老人
6. 2月というだけの夜   12.さあ行かなきゃ
 
 この『蛍』というアルバムは4thアルバムのところでも書いたように、その友人に対しての思い入れが強いのと同時にすごく個人的に
染みてくる一枚なのです。「1.蛍」はノスタルジックなピアノイントロが印象的な楽曲。以前住んでたあの町へお前を連れて蛍を見に行
こう・・・という何の変哲もない歌なんだけど、だからこそ染みてくる。「2.AIN'T NOTHIN'〜」はもう二人でいることはできない恋人たち
を歌ったスローな楽曲。二人でいつまでも一緒にいたかった。でも一緒にいるためだけに自分に嘘をつき続けることはできない・・・じ
っくりと男の痛みが伝わってきます。「3.当然のこと」は「明日なんて知らねえさ」といつもほざきながら、実は明日にすがるしか進むこ
とができなかった男を歌ったアップテンポな曲。しかしこの曲も内容が痛みをともなう歌だな。「4.あと少し」は、もう少しすりゃ今自分が
置かれてるつらい状況も笑い話にできるだろ、と歌った曲。「5.お手あげだ」は、さっきまでさんざんブーたれてたお前のかわいい寝顔
を見てると、立ってた腹もやりどころがなくなるほど俺は形無しになっちまうよ、と彼女の寝顔を見ながら降参せざるを得ない男を歌っ
た曲(笑)。「6. 2月というだけの夜」はこのアルバムのハイライトといっても過言ではない歌。彼の今置かれた空虚な状況と、少年時代
の自分を重ね合わせながら、結局は何も変わってないようで変わってしまった自分を深く掘り下げた名曲。「7.チェッ」は、もうすぐ仕
事に行かなきゃいけない時間だから寝床を出なきゃいけないんだけど、お前の寝顔見てたら今日はサボりてえな・・・と思ってしまう男
の幸せな歌。「8.あっちへ行ってくれ」はブルージーなピアノイントロからアップテンポに展開する曲。どうせ誰かの陰口や悪口たたくだ
けだろ?こっちの席は楽しくやってんだから、あんたはこっちへ来ないでくれ。と歌った痛快に皮肉った曲。なんか実話っぽいんだよな
この詞(笑)。「9.ホラ吹き野郎」はなんだか自暴自棄になってる主人公が印象的。死んだら寿命、生きたら運命・・・結局人は踊らされ
ながら生きてるのかもね。「10.早く帰ろう」はこの盤のもうひとつのハイライト。電車で家に帰るまでにはたくさんの誘惑が待ってる。で
も今は早く家に帰って一杯やりながらテレビでも観たい。悲しんでいた彼女やいなくなってしまった友達に想いをはせながら、男の物
語は織り成されてゆく。「11.トタン屋根の〜」は薄汚い格好をした老人と子供たちとの交友を描いた曲。親たちはたいがい近づくなとか
言うけど、こういう大人の人って悪い人はまずいないんだよね。うちの近所にも昔はいたなあ(笑)。「12.さあ行かなきゃ」は、バカじゃな
いかぎり気ままには暮らせない、という一節が染みてくる楽曲。前にも書いたけど、あの友人は今いったいどこで何してるだろう・・・?

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