1stアルバム
「私の声が聞こえますか」

1976年4月25日発売

1. あぶな坂   7. 踊り明かそう
2. あたしのやさしい人   8. ひとり遊び
3. 信じられない頃に   9. 悲しいことはいつもある
4. ボギーボビーの赤いバラ   10.歌をあなたに
5. 海よ   11.渚便り
6. アザミ嬢のララバイ   12.時代
   
 彼女の記念すべきファーストアルバム。デビュー曲「6.アザミ嬢のララバイ」や永遠の名曲「12.時代」もさることながら、
ボクが心奪われたのは「1.あぶな坂」である。このメロディーライン、そして歌われている内容はまさにこの後の彼女の
作品たちを象徴するようなメッセージ性にあふれてる。ブルージーな「2.あたしのやさしい人」はちょっと皮肉っぽく聴こ
える。「3.信じられない頃に」のハーモニー、「4.ボギーボビーの赤いバラ」のカントリーっぽさと、まさに彼女の楽曲のふ
ろしきの大博覧会状態(笑)。「5.海よ」は初期の名曲。「故郷」や「海」を扱った作品では彼女はさらに魅力を発揮する。
デビュー曲「6.アザミ嬢のララバイ」はアレンジ的にはシングルの方が好きだが、メロディーはやはりこちらもいい。「7.
踊り明かそう」はその明るい曲調とは裏腹に失恋の暗闇の淵に落ちた女性の悲しさを歌っている。「8.ひとり遊び」はさ
らに深い孤独の淵に落ちた女性を歌っている(楽に説明し過ぎだぞ(笑))。「9.悲しいことはいつもある」はワルツ調で
綴られた短篇。願い事って叶わなくても叶いすぎても悲しい、つまりすべては悲しみに直結するということか。うーむ深
い!「10.歌をあなたに」はのちの名曲「夜曲」「歌姫」に通ずるようなメッセージ性の強い詞が印象的。「11.渚便り」
は「渚にいれば悲しいこともやさしい出来事に見えてくる」という癒しの歌。「海」って本当に不思議な力を持ってるとボ
クも思う。そしてラストを飾るのは今もなお聴き継がれている「12.時代」。この曲には個人的にもいろいろな思い入れが
ある。とにかくこのファーストアルバムからすでに彼女の七色の歌声が駆使されているバラエティーに富んだ一枚。

 

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